SIGNATURE 2018 10月号
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日本は戦後70年で不老長寿の薬を手にした写真・永田忠彦 文・髙杉公秀日本は先進国の中でも一番の長寿国です。その原動力として、大きな役割を果たしてきたのが予防医学です。最近ますます、この予防医学という言葉がもてはやされるようになりましたが、日本は第2次世界大戦後、そのことをずっとやってきました。中でも保健所の役割が大きかったですし、国民皆保険制度により全国どの地域でも平等に医療が受けられる。そういうシステムが国民全体に行き渡ったことが、日本を支えているのです。日本の平均寿命はどんどん延びていますが、戦前の平均寿命をご存じですか。昭和10年の時点で男性が46・92、女性が49・63歳でした。平均寿命は、おそらく江戸時代でも50代前後で推移していたはずです。それが現在では男性81・09、女性87・26歳(2017年の簡易生命表による)まで延びました。人類が1万年かけてもなかなか延ばせなかった寿命を、日本は戦後70年で、あっという間に倍近くまで延ばしました。これは人類の長い時間軸から考えると「点」のような短い期間です。そのわずかな間に「不老長寿の薬」を手に入れたようなものです。人類は流行病によってたくさんの命を奪われてきました。中世ヨーロッパではペストで約5000万人が亡くなりました。1918年に流行したスペイン風邪(インフルエンザ)では世界で5000万人から1億人が亡くな人生百年を見据えて多くの人が100年の人生を生きる時代を迎えようとしている。それは、はるか遠い未来ではなく、今を生きる私たち自身の問題なのだ。健康寿命への関心から、未病対策や予防医療の需要が高まりつつある現在、未病・予防の時代の備えを、地域からグローバルな医療を目指すキーパーソンに聞いた。未病・予防への備え亀田クリニック亀田メディカルセンター (亀田総合病院を中心とする医療サービス施設の総称)1泊人間ドック、1日人間ドックの2つの人間ドックに加え、PET-CT検査などがオプションで追加可能。千葉県鴨川市東町1344電話 04-7099-1115(人間ドック・検診予約)(月~土 9:00~16:00、日・祝・年末年始を除く)www.kameda.com/亀田京橋クリニック    標準の人間ドックに加え、女性対象や、ガンや虚血性心疾患・脳血管疾患の早期発見に特化した専門コースを用意。東京都中央区京橋3-1-1 東京スクエアガーデン4階・6階電話 03-3527-9202(人間ドック・検診予約)(月~金 10:00~16:30、土10:00~12:00、日・祝・年末年始を除く)www.kameda-kyobashi.com/Photograph byTadahiko NAGATAText byKimihide TAKASUGI66

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