みてらふじに集する「ウェアラブル(着用できる)端末」。その世界市場は倍々ゲームのように拡大し続けている。その最先端市場にあって、世界中から注目を集めているのが『ミツフジ』だ。三 元寺々冨は士、二満が州京か都ら府引城き陽揚市げにてつきくたっ創た業西者陣の織祖の父帯・工場がその淵源。家業は二代目・康廣、三代目・歩に引き継がれる。そして、三代目がテクノロジーを導入し、破綻同然だった家業を〝世界のミツフジ〞に仕立て上げる。な しかかっした…。一…、流引IきT企継業ぎでの苦の労キはャ尋リ常アなをも捨のてで、は京都に帰って来た三代目にとって、それは壮大な挑戦であった。その後の三寺の歩んだ道のりは、企時計、眼鏡、衣服などに情報端末を装着し、血圧、心拍数など、日常の活動データを収業ひいては地方の再生の希望の光となっていく。「も すうべどてうはに、も父な・康ら廣んの。一一本族の皆電、話路か頭らに始迷まうっわた」。。2014年のことだった。家業を継ぐ気など微塵もなかった三寺は、その電話を受け、落ち込む。それと同時にある記憶が甦る。前年正月、帰郷した時のこと。親戚が集まる中、なぜかそれぞれの年収の話になった。三寺は黙って耳を傾けていた。数人の話が終わった時、三寺は内心驚愕する。全員の年収を足しても自分の年収にさえ届かない。零細企業ばかりが残る地方の現実を知る。それは、祖父の代から続く『ミツフジ』も同じだった。会 最を、先人端間ITそ企の業もにの身の在をり置よき、うテをク劇ノ的ロに変ジえーてがい社く様をつぶさに見てきた三寺は、地方の格差は地方の「あきらめ」にあると実感していた。し 三か寺しの、「中あにきはら父めへたのく反な発いが」わとだいかうま気っ持てちいはた日。に日に増していった。可能性がないわけではない。自らが学んだテクノロジーを家業に持ち込めないか。持ち込めれば新しい扉が開くのではないか。三寺は最先端IT企業の幹部候補の道を捨てる。周囲は三寺の選択を、信じられないという目で見るばかりだった。反 三発寺しがてき見た出、し家た業可を能廃性業の寸〝前萌に芽ま〞ではし、そたれ父がま自でら米国に足を運んで持ち帰ってきた技術、魔法の糸とも呼ばれる〝銀メッキ繊維〞だった。その銀メッキ繊維の「導電性」が再生への〝鍵〞であり、生命線となる。没 父頭はし遊たん結で果資だ金っをた。使大っ口たのわ超け優で良は企な業くの、担研当究者にがわざわざ城陽市まで足を運んでくれても、職人肌の父・康廣は、手軽に商売しようとすることを嫌い「あんたら糸のこと分かってへん。糸はそん14優れた電気抵抗特性を持つ銀メッキ導電性繊維「糸の顔をした金属」AGposs®(エージーポス)。福島県・川俣町に研究開発棟を併設した工場が竣工。福島の復興と「絹の町」再生へ向け本格稼働を始めた。腕
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