右中:画家マティスが借りていたアパートが今も残る。現在1階はカフェに。マティスに続いてアンドレ・ドランやジョルジュ・ブラックなど、有名無名の画家たちがコリウールで制作活動に打ち込んだ。下左:街中のカフェ『レ・タンプリエ』には、当時の画家たちがコーヒー代替わりに置いていった絵が壁一面に飾られている。スペイン北東部の地中海沿岸に広がるカタロニア(カタルーニャ)地方。郷土愛が強く独自の言語にこだわるなど独特の文化は広く知られているが、その文化圏がピレネー山脈を挟んでフランス側にもまたがっていることはあまり知られていない。1659年までは北カタロニアと呼ばれたフランス最南東部は、ルーション地方と名前を変えた現在も、住民の大半がカタロニア語を話し、スペインの面影が色濃く残る。陽光あふれる地中海と緑深いピレネー山脈が同居する、知られざるこの地方の魅力を紹介する。[ Hôtel LA CASA PAÏRAL ]上:コリウールの海岸からほど近く、『Guide des Hôtel de charme』でRelais du Silence(静かなホテル)として認定された、カタルーニャ風の古い邸宅を改装した落ち着いた雰囲気のブティックホテル。Impasse des Palmiers,66190 Collioure, FranceTel. +33 4 68 82 05 81http://fr.hotel-casa-pairal.com53文・熊田有希子 写真・村松史郎 取材協力:ピレネー・オリエンタル県観光局(www.tourisme-pyreneesorientales.com)ルーションワイン委員会(www.vinsduroussillon.com)花に包まれたカタルーニャ風邸宅オテル・ラ・カーサ・ペラル
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