SIGNATURE 2018 12月号
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ブランドの遺産を現代にアップデートWhat’s new ? 写真・大志摩徹 文・松尾千鶴子 アレッサンドロ・ミケーレがクリエイティブ・ディレクターに就任して以来、常識やルールを超えてグッチはファッションの快楽的側面を全開し、コレクションを発表してきた。「50〜80年代は今と比べてもっと自由だったと思う」と、あるインタビューで語っていたように、彼のデザインはブランドのアーカイブからシンボルやデザインコードを掘り起こし、更新を重ね、ファッションの自由を再確認しているかのようだ。 2019年クルーズコレクションでは、スポーツ、プレッピー、ストリート、ヴィンテージのキーワードを基にミックス。肉厚のウール素材のメンズブルゾンは最も古いアイコンであるディアマンテをモダンにアップデート、フードやキルティングのライニングを装備して軽快に仕上げている。オーバーサイズのウールシャツには皺加工を施し、左胸のポケットにはアンカーモチーフのロゴ入りパッチ。ヴィンテージな感覚を再構築したアイテムは、当時を知る大人世代には懐かしく刺激的、ミレニアルズには新鮮に映る。これは世代を選ばず共感が得られる全世代型のファッションなのだ。ブルゾン378,000円、シャツ194,400円(共に税込)お問い合わせグッチ(グッチ ジャパン カスタマーサービス)フリーダイヤル0120-88-1921ざっくりと織られたブラックをベースに、 レッドのディアマンテとホワイトのGGパターンが交差する。 ディアマンテは1930年代に登場したグッチ最古のシグネチャーであり、 現在のGGパターンの原型でもある。 ライニングはキャメル色、 身返しには左右とも胸ポケット、 表両側にはもちろんウォームポケットも。23Photograph by Toru OSHIMAText by Chizuko MATSUOFashionGUCCI

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