SIGNATURE 2018 12月号
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まさに今、春を謳歌するオージー群像オーストラリアの州都・パースを称して「世界でもっとも美しく、住みたい街」といったのは、ジャーナリストの兼高かおるさんだそうだが、それは穏やかなスワンリバーに沿った街並みと、オーストラリアでもっとも晴れの日が多い気象条件によるところが大きいだろう。一般にオーストラリアといえば、青い空と海がイメージされるが、実のところ西オーストラリアにあっても冬は曇天で、冷たい雨が降る日が続くこともあるのだとか。グレーに垂れ込める空のもと、ひと冬を過ごしたパースっ子たちは、春となる8月から11月をできるだけ陽光の恩恵を受けんと公園やビーチでのびのびと過ごす。 まずは、パース市内から車で10分ほど走ったコテスロービーチへ。インド洋に面した西オーストラリアでは、夕日が沈む、その名もサンセットコーストに、白砂が美しいビーチがいくつも点在しているのだそうだ。訪れたのはまだまだ肌寒い9月、それも平日の夕方だったのだが、SUPやカイトサーフィンなど、日が暮れるまでマリンスポーツに興じる人、人、人……。ゴールデンレトリバー種の犬(オーストラリアではレトリバー種が人気だ)を散歩させていた男性は、「ぼくたち太陽にクレイジーだから」と笑っていた。のどかなサンシャインを待っていた彼らにとって、春がいま、どれほど心躍るシーズンか。鳥肌を立てながらも海水浴をしていた少年たちのフィーバーぶりからも、「春がきた!」という歓びが伝わってきた。32右から、ブルワリー併設のレストラン『Eagle Bay Brewing Co』の庭で子どもから「グルグルして~」と頼まれるパパ。どこのお国も週末のパパは大忙し。/コテスロービーチは犬の散歩にも人気のコース。/パースの中心地・エリザベスキーは現在再開発が進んでいる。左:フリーマントルの目抜き通り、カプチーノ・ストリップはカフェの名店が並ぶ。ぜひ、コーヒーで休憩を。西

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