そのコテスロービーチからさらに車で西にある小さな港町がフリーマントル。1829年、英国のキャプテン、ジェームス・フリーマントルが植民地宣言したことにさかのぼるこの街は、3階建てほどの小ぢんまりとしたコロニアル調の建物が並ぶレトロな町並みがなんともかわいらしい港町。よく晴れた土曜日、クラシックカーの愛好家たちが愛車を駆って(といっても時速10キロ程度だが)、メインストリートであるカプチーノ・ストリップを流していたのは微笑ましい光景だった。子どもも大人もはしゃぐ、それぞれの春だ。 では女性はどこに? と探せば、いたいた。おいしいものの集まるフリーマントル・マーケットに。ここは大きな倉庫のようなレンガ造りの建物に、小さな屋台やショップがひしめき合う、金曜日に加えて週末と祝日限定の市場。近隣のファームで採れた新鮮な野菜やフルーツはもちろんのこと、チーズやハニーケーキ、キャラメルやシーズニングで味付けしたマカデミアナッツ、そしてデトックスや美肌など、目的別にブレンドされたオーガニックティーなどが最近の人気。オーストラリアの美食といえばメルボルンが有名だが、西オーストラリアだって人々の胃袋を支える市場を見れば、日々のクオリティの高さがおのずとわかる、そんな場所だった。そろそろお腹が空いてきた。いや、まず海が見えるテラスでクラフトビールでも飲みに行こうか、と思う土曜日の夕暮れ刻。どきフリーマントル・マーケットFremantle Marketsジャラの木に咲く花から集めたハチミツ「ジャラハニー」(右)は抗菌作用が高く、整腸作用や美肌効果があるとお土産に人気。オーガニックティーならレモンマートルやワトルシードなどオーストラリア産の植物だけを使用した「Roogenic」(下)を。3310分、パースからなら電車で30分ほど南South Terrace &, Henderson St. Fremantle, WA, 6160https://www.fremantlemarkets.com.au/
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