SIGNATURE 2019 1&2月号
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「ガンツウ」で最も楽しみにしていたこと。それはやはり食事だ。事前情報では、瀬戸内海の新鮮な魚介や、地元の野菜などをふんだんに使った料理が、朝も昼も夜もいただけるとのことだった。食事のほかにも、日本酒やワイン、シャンパンなどのありとあらゆる飲み物も、旅代にすべて含まれているとのこと。これは飲ん兵衛には堪らないサービス。ちなみに部屋のミニバーもオールインクルーシブの対象で、「ケンゾーエステート」のハーフボトルが入っていたのが個人的にはうれしかった。 レストランは3階のデッキに隣接しており、そこでブレックファスト、ランチ、ディナーのすべてを提供している。監修は東京の名店『重よし』の佐藤憲三氏。和食は基本的にメニューがなく、その日の気分や好みに合わせて、食材を見ながらメニューをつくってくれる。この日は、船外体験で訪れた島の島民が採ったモズクをそのまま入手。船に戻ってからいただいたランチの味噌汁に入れてもらった。採れたての新鮮なその香りと味は、今でも記憶の中にくっきりと残っている。 ディナーでも和食、洋食、好きなものが選べるが、それにも増してうれしかったのがレストランの奥にある鮨カウンターの存在だ。こちらは淡路島の人気店『淡路島亙』のご主人・坂本亙生氏の監修。瀬戸内海で獲れた魚介を使い、目の前で職人が握ってくれる。日本酒も瀬戸内の地酒を、やはり瀬戸内で焼かれた酒器でいただくという趣向。ディナーの後はそのままバーへ。カクテルを片手に、バーテンダーとこの界隈の話で盛り上がった。 ふと気がつくと船は動きを止めている。聞けば、今夜は宮島沖で錨泊するとのこと。そして明日の朝は早くに船を降り、世界文化遺産の厳島神社へ散歩に連れて行ってくれるそうだ。日中は観光客で賑わう人気の神社を、ほぼ貸し切り状態でゆっくり拝観できるという。 部屋に戻り、テラスに出た。見上げれば空には満天の星。明日もきっと晴れだろう。のぶ オールインクルーシブで味わう瀬戸内の恵み広島や岡山県産の黒毛和牛を使ったビーフシチューやハンバーグ、ステーキなどの洋食も。53

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