SIGNATURE 2019 1&2月号
57/82

写真・ナリタナオシゲ写真と文・若松真美大阪・西成区 「にしなり☆こども食堂」では、2歳から中学生まで25人の子どもがダイナースクラブフランスレストランウィークのために来日した『ローベルジュ・ドゥ・サンレミ・ドゥ・プロヴァンス』オーナーシェフのファニー・レイ氏と『アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ』シェフパティシエールのジェシカ・プレアルパト氏によるプチコースを楽しみました。調理風景を興味津々で眺めた子どもたちは運ばれる一品ごとに歓声を上げ、たちまち完食。ポタージュのムール貝に「貝嫌いだけど食べられた」、ポテトチップを衣にした楽しい食感のアジのフライに「おいしい!」の声が。プラリネがたっぷり入ったシュークリームをお代わりする子も。 共に子育て中という二人のシェフは「幼いうちにいろんな味を経験することはとても大事。子どもたちと、意義深く楽しい時間が過ごせてとてもうれしい」とにっこり。フランス流〝ママの味〞は、大阪の子どもたちに、〝おいしい種〞を確実に植え付けたようです。神奈川・葉山 小学生を中心に50人以上の子どもたちが集まった「はやま食卓プロジェクト」。料理を振る舞ったのは、フランスや東京でミシュラン星付きレストランのシェフを経て、現在は東京・青山『アンドエクレ』のシェフを務めるオリヴィエ・ロドリゲス氏。 「ボナペティ(召し上がれ)」で食事タイムがスタートし、本格フレンチを口にすると「おいしい〜!」と歓声をあげる子どもたち。前菜は、すだちの果汁がアクセントの「金目鯛のタルタルソースとポテトのコンフィ」と、金目鯛の頭や骨、腹わたで出汁を取ったジュレを添え、すだちの皮を散らした「ヴィシソワーズ」。「食材をすべて使う、同じ食材で異なるアプローチの料理を楽しむなど、私の料理に対する思いも子どもたちに伝えたい」とオリヴィエ氏。子どもたちも「すだちが入ってる!」などと、食材に興味津々。キレイに完食されたお皿は、シェフの想いが届いた証しでした。「にしなり☆こども食堂」「はやま食卓プロジェクト」ファニーシェフとジェシカシェフがフランスの国と料理を紹介。人参のポタージュで初めてムール貝を口にした子どもたちに満面の笑みが見られた。 69 文・永野香(アリカ)シェフのオリヴィエ・ロドリゲス氏。メインは「会津地鶏の煮込みとロースト」。付け合わせの人参は地元・葉山で採れたものだった。栄養のある食事と温かな団欒を……そんな「こども食堂」の趣旨に賛同して東京、神奈川、大阪の3都市で行ったスペシャルコラボレーションから2か所をレポート。( 広がる輪 その3 )フランス料理を体験する「こども食堂」開催

元のページ  ../index.html#57

このブックを見る