写真・大志摩徹 文・松尾千鶴子 今やどんなブランドも、必須アイテムからスニーカーを外すことはできない。一度手に入れた快適な歩きは、誰も手放すはずないのだから。新シーズンの足元は、まずスニーカー選びから始まる。最近の話題は、レトロな雰囲気のボリュームスニーカーか、シューレースを省いたソックススニーカーの2つ。シンプルなフォルムのソックススニーカーの中では、エルメスの新作が際立っていた。 その名も「トーキョー」。アッパーはネイビーのニット、この高さがほかのハイブランドのものと比べると低く、くるぶしぎりぎり。足入れがスムーズなうえ、パンツの丈や幅を気にせずにコーディネートができる。アウトソールはブルー、ミッドソールはホワイトのラバー。ソール際をネオプレーンで取り囲み、ヒールカウンターにイエローのカーフ、その上のバックステーはHモチーフ入りブラックカーフ。トウにはスエードも使われている。さらにソールパターンはブレスレットの「コリエ・ド・シアン」からスタッズとHモチーフを引用。ここまで凝った作りだが、印象はシンプルで端正、抑制の利いた美意識に貫かれている。スポーティで端正その名は「トーキョー」 今から約20年前、エルメス初のスニーカーを作ったのが、シューズ部門のクリエイティブ・ディレクターであるピエール・アルディ。当時、老舗ブランドのスニーカーはきわめて珍しく、今の大ブームの先駆けといえる。今回のスニーカーは、配色も素材も多彩。それを非凡なセンスでまとめ上げている。Photograph by Toru OSHIMAText by Chizuko MATSUO21スニーカー「トーキョー」124,200円(税込)お問い合わせエルメス(エルメスジャポン)電話03-3569-3300What’s new ? FashionHERMÈS
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