SIGNATURE 2019 3月号
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912876543年(3万1898三振)から20年間で1万個あまり増えたことになる。時速160キロを超える剛速球とフルスイングの豪快な力勝負は、確かに見応え十分だろう。その一方で、極端に言えば「本塁打か三振」の大味な野球が目立つようになったことも否定できない。 もっとも、メジャーリーグは常に様々な試行錯誤を繰り返しながら、世界中にファン層を広げ、規模を拡大してきた。2018年、公式戦開幕時点でロースター入りした外国人選手(米国以外の出身)は全体の29パーセントとなる254人。出身国および地域は、21 か国に及ぶ。長い年月をかけ、日本、韓国などのアジア、ドミニカ共和国、ベネズエラなどの中南米での野球普及に努めてきた結果、世界中から才能豊かな有力選手がメジャーリーグを目指せるような制度をつくり上げた。今年6月には、英国の首都ロンドンで欧州初となる公式戦「ヤンキース―レッドソックス」を開催するなど、国内だけでなく、世界戦略の手も緩めていない。 2019年のシーズンは、シアトル・マリナーズに菊池雄星が移籍し、イチローと一緒のグラウンドに立つ可能性もある。同地区のエンゼルスには、同じ岩手・花巻東高の後輩でもある大谷翔平が所属しており、「同窓対決」も見込まれる。また、2年連続でワールドシリーズに進出しながら世界一を逃したドジャース前田健太にとって、「3度目の正直」はなるか。昨季、故障に苦しんだカブスのダルビッシュ有の完全復活への期待も大きい。30歳になったヤンキース田中将大、デビュー1年目で日本人最多となる75試合登板を記録したダイヤモンドバックス平野佳寿の動向など、見どころは多い。 世界一を目指し、最高峰の舞台で輝き続ける日本人メジャーリーガーのプレーは、今年も見逃せない。101.カリフォルニアの太陽の下、鮮やかな緑の芝に映えるメジャー球。2-6.試合の合間にはカリフォルニア観光を。有名な「ルート66」の終点・サンタモニカピアには、トム・ハンクスの代表作『フォレスト・ガンプ』に登場したシーフードレストラン『ババガンプシュリンプ』が。アナハイム周辺には巨大なショッピングセンターも。7-10.大谷選手が所属するエンゼルスのホームグラウンド、エンゼル・スタジアム。ショップでは大谷選手のグッズが大人気。Take Me Out to the Ballgameエンゼルスが本拠地アナハイムにシアトル・マリナーズを迎える試合では、イチローや新人の菊池雄星選手のプレーを見られるチャンスも。

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