メジャーでトップクラスの人気を誇り、日本のファンにもなじみのあるドジャース。ナ・リーグ西地区を6年連続で制覇し、一昨年から2年連続でワールドシリーズに進出している強豪球団だ。日本人では1990年代後半にトルネード旋風を巻き起こした野茂英雄から始まり、石井一久、黒田博樹、現在は前田健太投手が活躍するなど、日本人メジャーリーガーは多い。 スタジアムはロサンゼルスのダウンタウンから近く、また丘の上に位置しているため、球場の最上階からは観光名所で有名なハリウッドサインが見られる。試合後、駐車場スペースに行けば、視線の先には高層ビルが並ぶダウンタウンの夜景も広がる。1962年の完成でメジャーでは3番目に古いが、眺めのよい球場だ。観客もほとんどの試合で4万人を超える熱狂ぶり。ファンが着るユニフォームで球場がドジャーブルーに染まることも多い。昨年は観客を動員。2位のヤンキースとは約かが分かる。 ファンはライバル球団の中心選手や、ミスをしたドジャースの選手などにもブーイングすることがあり、アナハイムのエンゼルスファンに比べるとやや手厳しい。その中で、前田はメジャー4年目のシーズンを迎える。昨季は途中から中継ぎで起用され、8勝10敗の成績だったが、アンドリュー・フリードマン編成本部長やデーブ・ロバーツ監督は前田を今季再び先発に復帰させると明言。先発ローテーションの一角として期待されるシーズンとなる。 チームリーダーは同じ先発の左腕クレイトン・カーショー投手。2010年から8年連続2ケタ勝利、サイ・ヤング賞3度の絶対的エースだが、前田にかかる期待も大きい。メジャー3年間で37勝27敗。プレーオフでも先発、中継ぎとして万能の活躍を見せた。韓国人メジャーリーガーの柳賢振、ベテランのリッチ・ヒルら左腕が豊富なチームだが、先発の右腕は昨年ブレイクした若手の160キロ右腕ウォーカー・ビューラーと前田の二人。前田のほうが経験豊富なだけに、若手を引っ張っていく役割も出てくるだろう。 昨季ワールドチャンピオンのレッドソックスからジョー・ケリー投手を獲得するなど、救援陣にも実力者がそろう。終盤までリードすれば、救援陣で締める展開に持っていける。ただ投手力に比べ、懸念なのは攻撃面。昨年オフ、レッズとの大型トレードで右の長距離打者のヤシエル・プイグ、マット・ケンプを放出。長年、ドジャースで活躍してきた両打者を失い、単純計算では合計44本の本塁打、148打点の埋め合わせをしなくてはならない。攻撃力の低下を投手力で補いたいところだ。 3度目の正直で世界一を目指すドジャース。眺めもよく、30球団で一番の盛り上がりを見せる球場で、名物の「ドジャードッグ」と呼ばれるホットドッグを片手に最高峰クラスの野球を味わう。ドジャース戦観戦の醍醐味だ。おたけ1.最上階から眺めるドジャー・スタジアム。ドジャースの歴史を辿れる展示スペースやスタジアムツアーもある。2.ドジャースで4年目のシーズンを迎える前田健太投手。3.2018年のワールドシリーズ・ドジャース対レッドソックス第3戦、18回裏ドジャース無死、左越えにサヨナラの本塁打を放ち、雄叫びを上げるマックス・マンシー選手。32137万人の差があり、いかに人気が高い30球団で1位の385万7500人の33
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