SIGNATURE 2019 3月号
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 冬にカヌーなど、筋金入りのアウトドア愛好者でなければと、これまた二の足を踏む方がいらっしゃるかもしれないが、実は初心者にも気軽に楽しめるアクティビティ。 酸ヶ湯から十和田湖へ向かった。雪解けの時季から秋までは、遊覧船も運行される人気スポットだが、冬場は観光客の姿もまばらで、湖のほとりの雪上では、鴨の一団が足の水掻きを自前のスノーシューとして、警戒心のかけらも持ち合わせない風情で列をなし、ヨチヨチと歩いている。 今季から冬のカヌーを始めた『十和田ガイドハウス櫂』のスタッフは手際よく準備を進め、パドル(櫂)の持ち方、漕ぎ方、止まり方などを懇切ていねいに教えてくれた後、「私たちが後ろの席に乗ってサポートしますのでご安心ください」と柔らかく笑った。 一般的に艇の種類には、コックピット以外は覆われた形のカヤックと、オープンデッキスタイルで、荷物なども積み込める細長い形のカナディアンカヌー(以下カヌーと表記)があるが、ここでは後者を採用している。双方は、手にするパドルの形も異なり、カヤックは左右両サイドにブレード(水を掻く部分)があり、カヌーは片側のみにブレードが付いたものを用いる。 この日は、2艇のカヌーをつないだ双胴船(カタマラン)として湖上に出た。当然、艇は一段と安定する。直進も、右や左に向きを変えるのも、それぞれの艇の後部席に乗ったインストラクターの的確な指示に従うだけでスイスイスイと、澱みない。「山手線内とほぼ同じ面積」だという十和田湖。冬の湖面に野鳥以外の姿はない。自然と呼吸を合わせることこそが、カヌーの真の醍醐味。途中、岸にカヌーを止め、艇に乗ったままで紅茶とチョコレートケーキに和んだダ信ミ地。ーブイールンクッスのクトリトレンラン。クドそののタ発中ーとは初対面であっ心のて複も合、ビまル群る「でイ旧ンダ知スの間柄のように会話心のも複弾合むビ。ル群自「然イをンダ愛スし、そこでのガイド心ダのミな複ーど合ーをビク職ルの群ト業「レにイン選ンドダのんス発だ人たちは、けっし信地てブ人ル見ッ知クリりンで。もその口中べたでもない。強い心のて複言合えビばル群、「都イ会ンダでスの厄介で煩雑な人間関係上の「駆け引き」は苦手だと推測する。 十和田湖上での1時間半ほど。この体験にも、後ろ髪を引かれた。「もっと、この自然の中でカヌーを漕いでいたい」。スノーシューウォークにしても、カヌー体験にしても、冬の青森の自然「凍ったパイプオルガン」のようにも見える、奥入瀬渓流沿いの氷柱。川の中の岩々には、こんもりとした雪の綿帽子。人工的な音はどこからも届かないが、自然が奏でる妙なる音楽が聞こえてくるような気がする。白を基調にした水墨画の景。に遊ぶことの、何と楽しいことか。豊かな気分になれることか。 その日の宿は、奥入瀬渓流にほど近いリゾートホテルに取った。近隣は新緑の時季も、避暑地として活気に満ちる盛夏も、紅葉を目で狩る秋も、素晴しい景観に彩られるが、厳寒期の岩肌に描かれる氷柱や氷瀑の、苛酷にして美しい自然美を目の当たりにできるこの時季も、一見に値する。 夜には、照明のために特別仕様された車と共に、専用バスでそれら氷瀑がライトアップされた幻想的な光景を目にすることができる。このエリアは国立公園内であるから、常設の照明設備を据え置けないため、この形式でのナイトツアーを催行している。 心地よいリゾートホテルに滞在し、青森の冬の素顔に触れる。雪景色を見る目的でこの地を訪れるというだけでも、大いに旅の動機付けとなる。湖上のカヌー岩肌の氷瀑自然との会話53

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