SIGNATURE 2019 3月号
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西館をロ見ビ張ーるラのウはン「ジ河を神」入とっ名てづまけず目られたアルミ合金製の立体彫刻。高さはるのは、うねりながら激しく、時は緩やかに流れていく水模様。7体のニンフ(妖精)も舞っている。一方、歩を進めた別館のラウンジに据えられた「森の神話」と命名された高さ8メートル半、重量5トンのブロンズ製のオブジェにも息を呑む。描かれているのは、渓流、流れゆく小さな石、樹木、鳥獣虫魚、キノコの類、森の妖精、さらに人。 これらはいずれも暖炉の役割も果たしている。双方とも、芸術家・岡本太郎の作品。彼のほとばしる才気と、あらゆる生命を対象とした無尽蔵の愛情、溢れる信頼、情熱、希望がまさに奔流となって表現された傑作である。 部屋に入った。窓側に向けてソファが置かれ、奥入瀬の自然を一幅の絵のように見やることができる。傍らの棚には、ルーペが備えられていた。奥入瀬には300種類前後の苔類が繁茂している。こちらを携えて散策し、極小の美を観察なさるのも一興、とのメッセージを感じ取った。やはり、この周辺の主役は自然。奥入瀬では、けっしおいらせて飼い馴らされることのない自然への慈しみの念を抱くと共に、人も自然の一部だということが再確認できる。 「氷瀑の湯」とネーミングされている渓流露天風呂に行った。奥入瀬渓流沿いの氷瀑のイメージにも結び付く自然彫刻、さながら氷のカーテンを、温かい湯に浸ったまま観賞した。夜の氷瀑ライトアップツアーにもつながる美しき予告編ととらえることもできるだろう。食事はビュッフェレストラン『青森りんごキッチン』で。鮪の刺身、ほたての貝焼きなどの魚介類から、ローストビーフ、ご当地グルメの牛バラ焼き、せんべい汁など豊富なメニュー。心も胃袋も、幸せに満たされて。星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル自然を愛でる、人を愛する上の写真は「ラウンジ 森の神話」のオブジェ兼暖炉(3月11日~4月12日の間はラウンジのリニューアルのため、営業休止の予定)。ビュッフェレストランでは、アップルパイにソフトクリームを添えたデザートも人気の一品。これは凍ったナイアガラの滝か、イグアスの滝か。渓流露天風呂「氷瀑の湯」。直近2月・3月の企画として、月明かりに照らされた白銀の世界をネイチャーガイドと巡る「満月のブナ林スノーハイク」や、瓢箪を使った「奥入瀬ランプ制作体験」(3月30日まで)など各種用意されている。楽しさ、盛りだくさん。星野リゾート奥入瀬渓流ホテル住所:十和田市奥瀬字栃久保231TEL:0570-073-022https://www.oirase-keiryuu.jp/10メートル。重さ7トン。刻まれてい55

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