ブランドの矜持が開いたダイバーシティへの道写真・大志摩徹 文・松尾千鶴子 2019春夏のパリメンズコレクションでは、ルイ・ヴィトンが話題をさらってしまった。ストリートファッションの中心的存在、ヴァージル・アブロー初のコレクションだったのだ。場所はパレロワイヤル。屋外の長いランウェイは、ダイバーシティを象徴するグラデーションのレインボーカラーに染められていた。 バッグでは〝モノグラム〞をエンボス加工したものがさまざまなタイプで登場。アクセサリーのように使ったウェストポーチやボディバッグがクールだった。この〝モノグラム・キャンバス〞も今回の流れを汲むデザインで、ハーネスを思わせるストラップが新しい。3方向をファスナーが囲み、フルオープン式だが内部にササマチが付けられ収めた物は落ちない。ベルトの穴留めはネオンカラーのオレンジ。バンダナに3Dで描いたメゾンのイニシャルのネオンイエローと呼応する。デニムジャケットは、ベストを重ねたかのようなトロンプルイユのデザイン。彫金調にブランド名を入れたボタンもオリジナルだ。地域も人種も選ばず似合うことを前提につくられたアイテムの包容力が、気持ちいい。 ユティリティ・サイドバッグ H24×W16×D4㎝、227,880円、デニムジャケット289,440円、バンダナ33,480円(すべて税込)お問い合わせルイ・ヴィトン クライアントサービスフリーダイヤル0120-00-185420Photograph by Toru OSHIMAText by Chizuko MATSUOラグジュアリーブランドとストリートとの融合は前任のキム・ジョーンズが切り開いた道。今後はヴァージル・アブローによって、さらに勢いがつくだろう。事実、ランウェイで発表されたアイテムは、店頭に並ぶと同時に完売が続出。モノグラム・キャンバスの新作の登場が待たれていたのだ。What’s new ? FashionLOUIS VUITTON
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