アート作品から生まれた洗練のエンブロイダリーWhat’s new ? SpecialAKRIS写真・大志摩徹 文・松尾千鶴子 ルーマニア現代アートの中心的存在のジェタ・ブラテスク。アクリス2019年の春夏コレクションは、彼女とのコラボレーションから始まった。ユニークな線描やフォトモンタージュ、デリケートな色彩が、アクリスのシンプルでラグジュアリーなイメージとみごとに融合。しかし、ショー直前、彼女は92歳で帰らぬ人に。 このブラックドレスのサンガレン・エンブロイダリーの柄も、彼女の作品から。太い輪郭とその一部を塗りつぶした大胆な作品は、スイス・サンガレンの匠の技術によりモダンなエンブロイダリーレースに再現された。ドレスのフォルムはシンプルで上品、そこに今季を象徴するコンテンポラリーな柄のレースが調和して、新鮮なイメージへと昇華。レースから肌が覗く部分は胸元のスラッシュ位置まで、そして裾は膝から下へとエアリーに透ける。ファスナーもボタンもないドレスはフロントの切り替え線の陰に小さなフックとスナップが隠され、これを外せばフルオープンに。裏打ちはしっかりとした高級生地。品位を保ちつつ、女性のセンシュアルな美しさを最大限に引き出している。 ドレス594,000円、バッグ405,000円(共に税込)お問い合わせアクリスジャパンフリーダイヤル0120-801-922Photograph by Toru OSHIMAText by Chizuko MATSUO創業地のサンガレンから生まれたサンガレン・エンブロイダリーは、アクリスのシグネチャーとして毎シーズン登場する。完璧なクラフツマンシップによる仕立てがボディを立体的に包み込み、きりっとサポートするような着心地に。ショルダーとクラッチの2ウェイバッグの「アヌーク シティ」は、メタルグレーのパイソン。29
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