SIGNATURE 2019 5月号
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農畜産品などを収録した書籍『滇菜特殊生態食材概覧』によると、中国全土で食用兼薬用になるきのこは978種類。驚くことに、その内90・1パーセントは雲南省に自生している。まさに、きのこ王国・雲南である。 日本では、きのこは秋の味覚とされているが、雲南省の旬は夏。その年の気候状況にもよるが、雨期に入った7月は、ポルチーニと松茸の両方が共に出そろう、きのこのベストシーズンだ。そして雲南省の豊かな森林が育む野生のポルチーニは、その多くがイタリア35column 1旬は夏! 昆明名物・野生のきのこ鍋 夏の昆明で、ぜひ体験してほしいのが野生のきのこ鍋。関平路、関興路沿いには専門店がずらりと並び、シーズン中は多くの客で賑わいをみせる。食べ方はシンプルで、メニューまたはショーケースから食べたいきのこを選んで煮込むだけ。鍋スープは鶏かガチョウを用意しているところが多く、煮込むほどに鍋が仕上がっていくのが楽しい。 ポイントは、必ずきのこを数種類選ぶこと。そうすれば、最後には濃厚な味わいに口中が満たされる至福が訪れる。この鍋に肉などいらない。なぜなら、きのこが最高のご馳走だから。

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