SIGNATURE 2019 5月号
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 旅ごころを刺激する車窓からの風景は、鉄道旅ならではの魅力である||。開業から5年を経た今も、根強い人気を誇るJR九州のクルーズトレイン「ななつ星in九州」もまた、列車名に与えられた「7つの県を結ぶ3000㎞ものレールの上」という謳い文句どおり、気候風土が異なる九州7県のバリエーションに富んだ車窓からの眺望が、この旅の最大の魅力といえる。そこに加えられるのが、洗練を極めた意匠が凝らされたラグジュアリーな列車空間と、最上級のおもてなしであるのはいうまでもない。 今回ご紹介するのは3泊4日のコース。始発駅となる博多駅を出発し、最初の目的地である九州鉄道発祥の地、門司港へ。鉄道ロマンあふれる一日を過ごし、車中泊で夜が明けると風景は一変、阿蘇五岳を望む阿蘇駅に着いている。雄大な大自然の景色と空気を楽しんだ後、豊肥本線と久大本線という2つの高原線を乗り継ぎ由布院で1泊。宿泊は由布院温泉の名湯でゆったりと過ごす。翌朝は一路、九州の東海岸を縦断する日豊本線で南下、日向灘の南国らしい広大な海岸線を眺めながら、宮崎、鹿児島へ。翌朝は、南九州3県を縦断する、明治時代に開通した歴史ある肥薩線で八代へ。鹿児島本線を経由し、九州の西側を終着駅の博多へと向かう……。と、ここに大雑把に紹介しただけでも、ローカル色豊かなさまざまな路線をつないで周遊するのがわかるだろう。48由布岳をバックに田園風景を走る「ななつ星in九州」。文・シグネチャー編集部 写真提供:JR九州古代漆色に塗られた車体に輝く7つの星のロゴ。「ななつ星in九州」3泊4日コースで巡る5日間の旅CRUISE TRAIN “SEVEN STARS IN KYUSHU”車窓から望む九州の美

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