SIGNATURE 2019 5月号
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石元泰博Yasuhiro ISHIMOTO高知県立美術館 石元泰博フォトセンター高知県高知市高須353-2TEL : 088-866-8000http://iypc.moak.jp61*掲載の石元作品はすべて ©高知県, 石元泰博フォトセンター《桂離宮 古書院二の間南面・一の間と囲炉裏の間を望む》1981~82年撮影高知県立美術館蔵1921年、米サンフランシスコ生まれ。3歳のとき両親の故郷である高知県高岡町(現・土佐市)に移住。39年に単身渡米するも、太平洋戦争中には収容所生活を経験している。戦後、シカゴ・インスティテュート・オブ・デザインで写真を学ぶ。53年に再来日。ニューヨーク近代美術館建築部長のアーサー・ドレクスラー、建築家の吉村順三らとともに日本の伝統建築を調査し、桂離宮のモダニズムを写真により見出した作品で高い評価を得る。以降、日本的情緒を排した骨太の造形的作風で、丹下健三、菊竹清訓、磯崎新、内藤廣など日本を代表する建築家の作品を数多く撮影した。69年に日本国籍を取得。2012年に逝去。石元泰博フォトセンター高知県立美術館は、高知ゆかりの写真家である石元の個展「石元泰博写真展1946-2001」開催をきっかけに、生前から段階的に寄贈された作品や資料をアーカイブ化。氏逝去後の2013年に「石元泰博フォトセンター」を設立。現在、氏が直接手がけたプリント約35,000枚をはじめ、ネガフィルム約100,000枚、ポジフィルム約50,000枚など、膨大なコレクションを有する。前田尚武一級建築士/学芸員。1994年、早稲田大学大学院修了。2003~18年まで森美術館に在籍し、数々の建築展を企画。現在、京都市美術館リニューアル準備室。国内外の美術館・博物館の計画に携わっている。

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