ことぶきそがのたいめんすだのはるげいしゃかたぎけいせいはんごんこうかわつらほうげんやかたせき 又五郎は昭和31年（１９５６年）生まれ。荒事から敵役、三枚目まで芸域は広く、台詞のうまさが光る立役で、舞踊の名手でもある。平成23年（２０１１年）に三代目又五郎を襲名した際には、《寺子屋》の源蔵などを演じた。兄の歌六とは対照的に、襲名披露でも勤めた《車引》の梅王丸や《寿曽我対面》の五郎などの力強い荒事や《岡崎》の助平、《隅田春妓女容性》のどび六などの軽妙な役にも優れる。《梶原平三誉石切》の吉右衛門の梶原に対しての大庭、《寺子屋》の吉右衛門の松王丸に対しての春藤玄蕃など、性根を押さえた演技を見せる。舞踊では《船弁慶》の静御前と平知盛の霊が当り役だ。 歌昇は平成元年（１９８９年）生まれの立役。平成23年（２０１１年）に四代目歌昇を襲名した。芸熱心で真摯に役に取り組んでいる。若手の登竜門の浅草歌舞伎で《一條大蔵譚》の大蔵卿や《引窓》の南与兵衛などの大役を吉右衛門の教えを受けて勤め、種之助と主宰する勉強会「双蝶会」では《関の扉》の関兵衛や《傾城反魂香》の又平に挑むなど研鑽を怠らない。弟の種之助は平成５年（１９９３年）生まれで、すっきりとした立役と、愛らしい女方の両方を見せ、舞踊にも秀でる。立役では、「双蝶会」で演じた《一條大蔵譚》の大蔵卿、《川連法眼館》の忠信（源九郎狐）、女方では《傾城反魂香》の夫思いのおとく、舞踊では前シテの静御前と後シテの平知盛の霊を踊り分けた《船弁慶》が印象深い。と 当代吉右衛門が目指す、播磨屋の芸の伝承。同じ父をもつ五代目歌六と三代目又五郎、いずれ劣らぬ実力派の二人が息子たちと共に舞台を締める平成26年（2014年）5月、明治座「五月花形歌舞伎」《義経千本桜 鳥居前》佐藤忠信実は源九郎狐＝中村歌昇平成27年（2015年）1月、浅草公会堂「新春浅草歌舞伎」《猩々》猩々＝中村種之助39なかむら かしょう｜平成元年（1989年）生まれ。中村又五郎の長男。平成6年（1994年）年6月、歌舞伎座《道行旅路の嫁入》の旅の若者で四代目 中村種太郎を名乗り初舞台。平成23年（2011年）9月、新橋演舞場「秀山祭九月大歌舞伎」《舌出三番叟》の千歳ほかで四代目 中村歌昇を襲名。なかむら たねのすけ｜平成5年（1993年）生まれ。中村又五郎の次男。平成11年（1999年）年2月、歌舞伎座《近江源氏先陣館 盛綱陣屋》の小三郎で初代 中村種之助を名乗り初舞台。平成23年（2011年）9月、新橋演舞場「秀山祭九月大歌舞伎」《菅原伝授手習鑑 寺子屋》武部源蔵＝中村又五郎なかむら またごろう｜昭和31年（1956年）生まれ。四代目 中村歌六の次男。昭和39年（1964年）7月、 歌舞伎座《偲草姿錦絵 忠臣蔵 八段目》の奴ほかで中村光輝を名乗り初舞台。昭和56年（1981年）6月、 歌舞伎座《船弁慶》の静御前・知盛の霊ほかで三代目 中村歌昇を襲名。平成23年（2011年）年9月、 新橋演舞場「秀山祭九月大歌舞伎」《寺子屋》武部源蔵ほかで三代目 中村又五郎を襲名。四代目中村歌昇初代 中村種之助三代目中村又五郎
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