写真・大志摩徹 文・松尾千鶴子 優雅なテーラリングのWジャケットにハーネス付きメッシュベストを重ねたコーディネートは、ディオールウィンター2019〜20 メンズコレクションから。ジャケットは、ムッシュディオールが1950年秋冬に発表した「タイユール オブリーク(斜めのテーラード)」へのオマージュからメンズに引用。Wの前身頃によって襟のラインがボディに対角線を描いている。クラシックなジャケットとファンクショナルなベストの組み合わせは衝撃的だが、見た瞬間、否応なく納得させてしまう力がある。実にかっこいいのだ。 今回のコレクションは、パリ7区ジョフル広場に巨大なブラックボックスを建てて行った。中には全長76メートルのベルトコンベア、その上をモデルたちが静止したまま流れていく。ファーストルックも「タイユールオブリーク」のスーツにビーズ刺繍のベストの重ね着。キム・ジョーンズがアーティスティックディレクターに就任して3シーズン目、卓越したクチュールの技術に現代的な要素を共存させた斬新なアイデアが、ブランドの進化と圧倒的な存在感を印象づけたのだった。What’s new ? FashionDIORFashion対極の要素を共存させた斬新かつ圧倒的な美学メッシュベスト330,000円、ジャケット290,000円タートルネックシャツ135,000円(すべて税抜)お問い合わせディオール(クリスチャン ディオール)フリーダイヤル0120-02-1947ジャケットはしっかりと織られたウールモヘアキャンバス地。襟はフォーマルなピークドラペル。色はディオールらしい深いブルー。メッシュベストの胸元にはブランド名入りベルクロワッペン、ベルト部分はアリクスのマシュー・ウィリアムズによる象徴的ローラーコースターを採用、“CD”の文字が配されている。23Photograph by Toru OSHIMAText by Chizuko MATSUO
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