芸術作品のもつエネルギーによって人と人との出会い、繋がり、感動が生まれ、未来の人々への生きる力となってほしい「1諏訪内晶子 人イコフスキー国際コンクールで優勝して、世界が一変してしまいました。以来、活動を続けるなかで、日本人として、日本で育ったことに、どこかの時点で恩返しをしたいと思っていました。そこで始めたのがこの国際音楽祭NIPPONです」 諏訪内晶子は自身が芸術監督を務める「国際音楽祭NIPPON」について、こう語った。 2020年は節目の年だ。クラシック音楽界においては、ベートーヴェン生誕250周年という一大メモリアル・イヤー。そして、諏訪内にとってはチャイコフスキー国際コンクールで優勝して30年目の年でもある。6回目を迎える「国際音楽祭NIPPON2020」では、このふたつの節目を意識した公演が並ぶ。また、この音楽祭で諏訪内が一貫して取り組んできたマスタークラス(公開レッスン)や、東日本大震災復興応援コンサートも開催される。 「チャイコフスキー国際コンクールからろな経験をさせていただいて、今は非常に充実しています」 ヴァイオリニストである諏訪内が音楽祭の芸術監督を務めることには、大きな意味がある。演奏家、音楽家としてのあり方がまったく違ってくるのだ。990年、高校を卒業したばかりで、留学したこともない私が、チャno.SignatureInterview1497すわない あきこ|1990年、史上最年少でチャイコフスキー国際コンクール優勝。これまでに小澤征爾、マゼール、デュトワ、サヴァリッシュらの指揮で、ボストン響、フィラデルフィア管、パリ管、ベルリン・フィルなど国内外の主要オーケストラと共演し、国際音楽祭にも多数出演。エリザベート王妃国際コンクールヴァイオリン部門(2012年/15年)およびチャイコフスキー国際コンクール審査員(2019年)を務めた。2012年より「国際音楽祭NIPPON」を企画制作し、同音楽祭の芸術監督を務める。使用楽器は、日本音楽財団より貸与された1714年製作のストラディヴァリウス「ドルフィン」。Akiko SUWANAI30年。短いようで長かった30年でいろい
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