SIGNATURE 2019 11月号
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料理とモードに共通するモノ作り精神 トスカーナのキャンティ・クラシコ地区に、フェラガモ家が所有する『イル・ボッロ』がある。廃墟同然だった中世の村に、ワイナリーや宿泊施設、牧場などを造り再生させた。この村の食材を使ったトスカーナ料理、そして『イル・ボッロ』のワインが味わえるのが、フィレンツェの『イル・ボッロ・タスカン・ビストロ』だ。 同村、フィレンツェ、そして2016年にオープンしたドバイ店3つの厨房を預かるシェフは、アンドレア・カンパーニ氏。ボッロ村で採れる新鮮な野菜のほか、近隣の小さな生産者の食材を厳選して使用する。写真の「ヌーディ」はトスカーナの貧しい郷土料理だが、材料のリコッタチーズもイエロートマトの水煮もこのうえなく新鮮で上質で、爽やかで香り高い一皿に仕上がっている。 故郷をこよなく愛し、靴づくりからスタートしたフェラガモ家に伝わる職人気質が、料理の中にも反映されているかのようだ。スピリット第一章 ファッションブランドがつくる〝食空間〞452311.『イル・ボッロ』の「ボッレ・ディ・ボッロ」。100%サンジョヴェーゼぶどうで造られる瓶内二次発酵スパーリング・ロゼ。2.前菜の「トルティーノ」。リコッタチーズのやさしい味と野菜の新鮮さが美しいコントラストを生み出している。3.シェフのアンドレア・カンパーニさん。4.詰め物入りパスタの具だけを丸めたような「ヌーディ」。5.カジュアルな中にも家具やテーブルウェアの質感にフェラガモ的センスが光る。イル・ボッロ・タスカン・ビストロ39Lungarno Acciaiuoli 8r – 50123 Firenze Tel. +39 055 290423 https://www.ilborrotuscanbistro.it/IL BORRO TUSCAN BISTROInformationIL BORRO TUSCAN BISTRO

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