最初の会場は徳島市内でも大規模な児童数の「千松小学校」。5・6年生、約300人を対象に、体育館をステージにして「千松の森コンサート」を開催しました。
少し緊張した雰囲気のなか、まずはピアノの黒岩さんが登場し、ショパンの軽やかなワルツが始まると児童たちがふっと和らぐ表情になりました。ピアノソロの最後に、ラフマニノフの「鐘」とリストの「ラ・カンパネラ(イタリア語で鐘の意味)」の2つの鐘の違いを披露している時は、多くの児童が普段聞いている学校のピアノから発せられるとは思えない迫力ある演奏と超絶技巧に驚きながらも聞き入っていました。
後半は黒岩さんの呼び入れで、上野さんがサクソフォンを持って登場。サクソフォンは初めて聴くという児童がほとんどで、上野さんの「サクソフォンはクラシックの楽器では一番新しい楽器なんですよ!」という説明に熱心に耳を傾け、「リードを舌で弾くんですよ」と実演すると、児童達がまねをして舌を弾く音がそこここで聞こえてきました。
東京藝術大学アウトリーチコンサートin徳島~小学生に本物の音楽を~ |
2017年9月19日開催
ダイナースクラブがアーティストサポートファンドを通じて応援している東京藝術大学の“音楽アウトリーチ活動”。「子供たちを本物に触れさせたい!」という先生方の熱い思いをうけて、徳島市の2校の小学校へ、2人の若手トップアーティストが本物の音楽をお届けしました。
今回のアーティストは全国各地で熱心にアウトリーチ活動に取り組まれている、ピアノの黒岩航紀さんとサクソフォンの上野耕平さんです。黒岩さんは2日後にハンガリー留学へ出発、上野さんはドイツでのレコーディングを間近に控える中で登場いただきました。
ミヨーの「スカラムーシュ」やヴィードフの「サクソフォニア」で軽快に盛り上げ、人の笑い声を表現したという「サックス・オ・フン」は児童の中を歩き回りながら演奏するというコンサートではできない近い距離で演奏、その後は一転してしっとりとヴィゼーの「アルルの女より間奏曲」を披露しました。
終演後、児童からは「綺麗な音色で音楽の世界にひきこまれてしまった」、「素敵な演奏で気持ちよかった」、「笑い声の演奏は面白かった。みんなを笑顔にする音楽はすごいと思う!」といった声が出ていました。
次の会場となったのは「城東小学校」。こちらの小学校では3年生68人を対象に、音楽室で演奏者と児童がふれあいながら、まさに目と耳で聴く演奏会となりました。
前半のピアノ演奏では、黒岩さんが「僕は君たちより少しだけピアノが上手なお兄さんだよ」と自己紹介し、「ピアノの近くに来て聴いてみて!」と声をかけると、元気いっぱいの児童達がピアノに突進。グランドピアノの中に頭を入れている児童もいて、「音が大きくて耳に悪いから少し下がって、、、」と黒岩さんが心配する場面もありました。
ショパンの「子犬のワルツ」やラフマニノフの「鐘」などを披露すると、女の子達は黒岩さんの速い指の動きに熱い視線を注ぎ、中には「私も弾けるかな?」といった声も。そして、男の子達は普段聞いているピアノから出ているとは思えない大音量の響きに興味津々で、ピアノに手や耳をあてて振動に驚いたりしながらピアノの周りを取り囲んでいました。
後半のサクソフォン演奏では、ノリよく反応する児童が続出しました。「サックス・オ・フン」では、上野さんが「サクソフォンの音にあわせて一緒に笑ってみてね!」と言った時には「え~」と言っていた児童達も、上野さんが児童の中に座り込んだりしながら演奏を始めると、自然に音と一緒に笑い声が出て、盛り上がりが最高潮に達しました。
上野さんも「音楽を聴いて笑った瞬間を大切にして、これからも音楽を楽しんでほしいと思います」と言っていました。
終演後は児童からの質問タイムに。「いつから楽器を始めたんですか?」「そのサックスについている紐はなんと呼ぶのですか?」など次々に質問が出ていましたが、「1週間に何日練習しますか?」に「毎日です!」と答えられて、一同「お~」と驚きの反応を見せていました。
ダイナースクラブは、これからも才能ある若手アーティストや”音楽アウトリーチ活動”を応援してまいります。
皆様もぜひ「ダイナースクラブ アーティストサポートファンド」を通じてご支援ください!
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