昼夜各1組をもてなす市中の名店。
御料理 樋渡
自身の思う「おもてなし」に信念を
揺るぎない技とやさしさが光る和食店
京都の目抜き通り・四条通と京都御苑沿いの丸太町通に挟まれた御所南界隈。近年、京の食通の注目を集めるこのエリアに2013年12月に店を構えた「御料理 樋渡」は、オープンから1年を待たずしてミシュラン1つ星を獲得した実力店です。街中にありながら、完全予約制で昼夜各1組限定のスタイルを貫く、こだわりの和食店を訪ねました。
最上のもてなしをするためだけに
「御料理 樋渡」を切り盛りするのは、松木和也(まつきかずや)さん。東京の和食店で14年、さらに2015年1月に惜しまれつつ閉店した京都の「桜田」で8年間の修業を経てこの店を開きました。「完全予約制、昼夜各1組限定」というスタイルは、「すべてのお客様に対して、確実に納得のいくおもてなしをするためです」と松木さん。小さな子どもから年配の方まで、店を訪れた人すべてに満足してもらえるよう精一杯のもてなしをしたい。それを実現するためには、そのお客様のためだけに腕を振るうのがベストだと思ったと話すその笑顔には、強い思いが見てとれました。
素材選びから盛りつけまで
丁寧な仕事を
京都「桜田」での修業時代、松木さんは先輩たちの繊細な仕事に感動したと言います。「器、しつらえ、盛り付けなどお客様の目に見えるところはもちろん、見えないところにまですべてにおいて丁寧で繊細。出汁を取る際の昆布の長さまで一つひとつきちんと測るんです。和食の本場の心意気を感じた8年でした」。その料理やもてなしへの真摯な姿勢を松木さんは学び取り、現在の店でも大切にしています。したがって、要となる素材選びは自身で。毎朝市場へ足を運び、その日のお客の姿を思い浮かべながら素材を見極めます。下準備や火の通し加減など一つひとつの工程を大事にした品々は、季節感豊かに盛り付けられます。お店を訪ねたのはちょうど6月。八寸の皿には夏越祓にちなんだ茅の輪があしらわれ、さらに添えられた青もみじが生命の息吹を感じさせる演出。また、冷やし炊き合わせの一品は、賀茂なすと万願寺とうがらし、珍しい白ずいきをあっさりとした出汁で合わせ、すっきりと冷やし、彩りも鮮やかに供されます。
料理に深みを出すための探究心を常に
洗練されたなかにどことなく家庭的なやさしさが漂うのも魅力の、「樋渡」。「おいしい料理を真ん中にして食卓を囲む人がみなゆっくりと心からくつろげる場所でありたいと思っています。そのためにも料理、しつらえ、器、サービス、それらが合わさって生み出す空気が最高のものであるように、常に心を配っています」。そう話す松木さんは、折々に『歳時記』をめくり、日本古来の季節を彩る言葉や詩歌に触れているそう。料理に深みを持たせるためには、幅広い知識と感性が必要と話す松木さんの探究心から生まれる料理に、今後も注目したいものです。
ダイナースクラブ会員 限定特典
通常、昼のコースについてはカード払い不可ですが、ダイナースクラブ会員に限り、カード払いが可能です。
- ※ただし、16,200円のコースからとさせていただきます。
- ※お支払いの際は、必ずダイナースクラブカードをお使いください。
御料理 樋渡
住所 | 〒604-0872 京都市中京区東洞院通竹屋町下る三本木町5-496-2 |
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電話番号 |
075-229-6769
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営業時間 | 12:00~14:30、18:00~21:30 |
定休日 | 不定休 |
お料理 |
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お席 | 個室2部屋(4名様、6名様) |
2015.08.03