個人事業税は経費に計上できる?
課税されないケースや納付方法も紹介

更新日:2023年11月1日

個人事業主になると、毎年所得税の確定申告を行って、税金を納めるという義務が発生します。納めるべき税金は所得税のほか、住民税や個人事業税、そして消費税の4種類です。この4種類のうち、個人事業税と消費税は、経費として計上できます。
ここでは、個人事業税について焦点を当て、税金の概要や計算方法について解説します。また、経費として計上できる理由や、個人事業税の節税のポイント、おすすめの納付方法についてもあわせて紹介します。

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個人事業税とは個人事業主が都道府県に支払う税金のこと

個人事業税とは、法律で定められた70業種の事業を営んでいる個人事業主が、都道府県に納める税金です。たとえ開業届が未提出でも、個人で法定業種にあたる事業を営んでいる場合は個人事業主になり、納税の義務が発生します。確定申告を行うことで、その申告内容が都道府県に共有され、都道府県税事務所から納付通知が届く仕組みです。
次に個人事業税の税率と、個人事業税がかからない場合について紹介します。

個人事業税の税率

個人事業税の税率は、課税所得金額の3~5%で、業種や都道府県によって若干の違いがあります。事業を営んでいる都道府県の税率については、ウェブサイトなどで調べることができますので、チェックしておきましょう。
たとえば、東京都の場合は次の通りです。

■東京都の法定業種と税率

区分 税率 事業の種類
第1種事業(37業種) 5% 物品販売業、運送取扱業、料理店業、遊覧所業、保険業、船舶定係場業、飲食店業、商品取引業、金銭貸付業、倉庫業、周旋業、不動産売買業、物品貸付業、駐車場業、代理業、広告業、不動産貸付業、請負業、仲立業、興信所業、製造業、印刷業、問屋業、案内業、電気供給業、出版業、両替業、冠婚葬祭業、土石採取業、写真業、公衆浴場業(むし風呂等)、電気通信事業、席貸業、演劇興行業、運送業、旅館業、遊技場業
第2種事業(3業種)

4%

畜産業、水産業、薪炭製造業
第3種事業(30業種) 5%

医業、公証人業、設計監督者業、公衆浴場業(銭湯)、歯科医業、弁理士業、不動産鑑定業、歯科衛生士業、薬剤師業、税理士業、デザイン業、歯科技工士業、獣医業、公認会計士業、諸芸師匠業、測量士業、弁護士業、計理士業、理容業、土地家屋調査士業、司法書士業、社会保険労務士業、美容業、海事代理士業、行政書士業、コンサルタント業、クリーニング業、印刷製版業

3% あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復
その他の医業に類する事業、装蹄師業
※東京都主税局「個人事業税」より

個人事業税がかからない場合がある

個人事業税は、すべての個人事業主に課されるわけではありません。次の条件のいずれかに当てはまる場合は、個人事業税はかからないため、納税の必要がなくなります。

・事業所得が290万円以下の場合

個人事業税には、年間290万円の事業主控除が適用されます。そのため、事業所得金額が290万円以下の場合、個人事業税はかかりません。なお、営業期間が1年未満の場合、事業主控除額は次の一覧にあるように、月割額になります。

■事業主控除額一覧

1ヵ月

24万2,000円

2ヵ月

48万4,000円

3ヵ月

72万5,000円

4ヵ月

96万7,000円

5ヵ月

120万9,000円

6ヵ月

145万円

7ヵ月

169万2,000円

8ヵ月

193万4,000円

9ヵ月

217万5,000円

10ヵ月

241万7,000円

11ヵ月

265万9,000円

12ヵ月

290万円

・法定業種に当てはまらならい業種の場合

個人事業税の納税義務があるのは、法律で定められた70業種に当てはまる事業を営んでいる者です。 ライターやプログラマー、システムエンジニア、画家など、70業種に当てはまらない事業者は、290万円を超える事業所得があっても、個人事業税を納める必要はありません。

・災害などによって損害を受けた場合

災害によって事業財産に損害を受けた者は、その程度によって個人事業税が減免または免除される場合があります。

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個人事業税の計算方法

個人事業税の額は、所得金額から各種控除や事業主控除を差し引いた課税所得金額に、業種ごとに定められた税率を掛けることで計算できます。

<個人事業税の計算式>

納めるべき個人事業税の額=(所得金額(収入-必要経費)-(繰越控除+事業主控除))×税率

たとえば、埼玉県内で1年以上レストラン業(飲食店業)を営んでいる個人事業主の収入が1,000万円、経費が500万円、繰越控除が0円の場合、個人事業税は次の通りです。

10万5,000円={(1,000万円-500万円)-290万円}×5%
※埼玉県の飲食店業の場合、税率5%、事業主控除290万円

なお、繰越控除とは、次の3つの損失額のことです。
・損失の繰越控除(青色申告者)
青色申告者で赤字となった場合の損失額
・被災事業用資産の損失の繰越控除(白色申告者)
震災などによって損失があった場合の損失額
・譲渡損失の控除と繰越控除
事業用資産を譲渡したために生じた損失額

個人事業税は経費に計上できる

個人事業税は経費として計上できます。
個人事業主が経費として計上できるのは「事業を営むうえで必要な支出」のみです。個人事業税は事業を営むうえで必要な支出にあたりますから、経費計上が可能で、会計処理の際は「租税公課」の勘定項目を使います。

■個人事業税を納付した際の仕訳(個人事業税額が10万5,000円の場合)

借方 貸方
科目 金額 科目 金額
租税公課 105,000 普通預金 105,000

個人事業税の節税に重要な支出管理のポイント

個人事業税を計算する際、課税対象は所得金額ですので、その金額が大きければ納税額が増えることになります。本来は経費であるのに正しく計上できておらず、必要以上に納税してしまうのは避けたいところです。
個人事業税に限った話ではありませんが、個人事業主が節税を行う際に重要なのは支出の管理。その際のポイントについて解説します。

家事按分を行う

個人事業主の中には、自宅の一部を事務所として使用している場合があるでしょう。

光熱費や家賃といった支出はプライベートなものでもあり、事業上必要な支出でもあるといえます。このような場合は、客観的な基準で事業での使用分を分ける「家事按分」を行い、事業分については経費として計上します。
家事按分の方法に決まったルールはありませんが、客観的に見て納得できる根拠が必要になります。たとえば、3LDK(約80平方メートル)、家賃8万円の自宅で6畳の1部屋(約10平方メートル)を仕事部屋にしているとします。この場合は、家賃のうち80分の10である1万円を「地代家賃」として経費計上するといった具合です。

経費とプライベートな支出は分ける

個人事業主が経費として計上できるのは、事業に関する支出だけなので、事業に関する支出とプライベートに関する支出はしっかり分けておく必要があります。
管理を簡単にしたければ、ダイナースクラブ ビジネスカードやダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードといった、ビジネス専用のクレジットカードを持ち、事業に関する支出はすべてこのカードで決済するといいでしょう。

個人事業税の納付方法

個人事業税の納付は原則として8月と11月の年2回で、都道府県税事務所から届く納税通知書によって各納期に納めます。納付方法は、クレジットカード、窓口での現金支払い、ペイジー、口座振替、スマートフォンの決済アプリ、パソコンで利用できる地方税共通納税システムなどがあります。

■個人事業税の納付方法一覧

納付方法 メリット デメリット
クレジットカード ポイントが貯まる、税金の納付をカードで一元管理できる 決済手数料がかかる、領収書は出ない
窓口で現金支払い わかりやすい 金融機関や行政窓口まで足を運ぶ必要がある
ペイジー オンラインバンキング対応なので、自宅から24時間いつでも利用できる ポイント還元がない、非対応の金融機関もある
口座振替 毎回手続きする必要がない 引き落としができなかった場合、通知なしに延滞金が発生する
スマートフォンの決済アプリ 窓口に足を運ぶ必要がない 30万円超(一部10万円超)の支払いには対応していない、領収書は出ない
地方税共通納税システム 自宅のパソコンから手続きができる 事前に利用届出を出し、口座登録を行う必要がある

個人事業税をクレジットカードで納付する方法と注意点

個人事業税はクレジットカードで納付することができます。ただし、個人事業税は都道府県が管理しており、対応していない自治体もあります。東京都の場合は「都税クレジットカードお支払サイト」から個人事業税の納付が可能です。
なお、クレジットカードで納付する際には、下記の点に注意しましょう。

<クレジットカードで納付したい場合の注意点>

  • ・口座振替を利用している場合はクレジットカードでの納付ができませんので、クレジットカードの納付をしたい場合は、口座振替停止の連絡をしましょう。
  • ・クレジットカードで納付できるのは、税額100万円未満のみです。
  • ・領収書は発行されません。
  • ・決済手数料がかかります。

■決済手数料一覧(東京都の場合)

納付税額 決済手数料
1円~1万円 73円(消費税込80円)

1万1円~2万円

146円(消費税込160円)

2万1円~3万円

219円(消費税込240円)

3万1円~4万円

292円(消費税込321円)

4万1円~5万円

365円(消費税込401円)
※1万円を超えるごとに決済手数料73円(消費税別)が加算されます
※東京都主税局「都税クレジットカードお支払サイト」より

個人事業税の納付や経費管理に便利なダイナースクラブ ビジネスカード/ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカード

個人事業税はさまざまな方法での納付が可能ですが、中でもクレジットカードは24時間いつでも納付ができ、ポイントが貯まる、経費をカードで一元管理できるなどさまざまなメリットがあります。

とくにおすすめなのはビジネス専用カードである、ダイナースクラブ ビジネスカードとダイナースクラブ ビジネス・アカウントカード(経費決済専用カード)です。

これらのカードであれば、ダイナースクラブの特典に加え、経費の一元管理やビジネスに役立つ特典の利用が可能。さらに税金の納付に利用すれば、200円につき1ポイントを受け取れます。各カードの特徴は次の通りです。

ダイナースクラブ ビジネスカードの特徴

ダイナースクラブ ビジネスカードは、個人事業主・法人経営者向けのビジネス専用カードです。27歳以上で法人、団体等の代表者や役員、または個人事業主であればお申し込みが可能です。
ダイナースクラブ ビジネスカードを事業用専用カードにすることで、事業に関する支出をしっかり把握しながら経費管理の手間を省くことができるでしょう。 ダイナースクラブ ビジネスカードには、主に次のような特徴があります。

・従業員を含めた経費の一元管理が可能

ダイナースクラブ ビジネスカードは、4枚まで無料で従業員用の追加カードの発行が可能(3,4枚目は1枚あたり年間5,500円(税込)のカード維持手数料がかかります)。従業員が18歳以上であれば発行できます。従業員を含めた経費の一元管理が可能になり、出張費の精算や仮払いの手間も省けます。

・ダイナースクラブ ビジネスカードならではのサービスが利用できる

ダイナースクラブカードで利用できるサービスにプラスして、さらにビジネスに役立つ優待特典も多数利用可能です。
例えば、会計ソフトとの連携、税務相談や法律相談などの優待サービスがあるほか、事業承継やM&Aなどのビジネスコンサルティングサービスなどもあります。さらに、決済専用のビジネスコンパニオンカードの追加発行も可能です。
JALオンラインのインターネット予約サービスなども利用できますので、さまざまなビジネスシーンにご活用ください。

■ダイナースクラブ ビジネスカードの主な特徴

年会費

27,500円(税込)

ポイント付与率

100円につき1ポイント
※税金の納付の場合、200円につき1ポイント

旅行傷害保険

最高補償額1億円(海外・国内)

国際ブランド

ダイナースクラブ(Diners Club)

追加会員、追加カード

追加会員4名まで、1会員につき1枚まで

※年会費無料

※カード維持手数料:3,4枚目のみ1枚あたり年間5,500円(税込)

ETCカード

・基本会員は5枚まで発行可能

・追加会員は1会員につき1枚まで発行可能

※ETCカードの発行枚数の上限は、追加会員の人数に関わらず、4枚までです。

ポイント有効期限

なし

ショッピング保険

購入日より90日間、年間500万円まで

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカード(経費決済専用カード)の特徴

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードは、ダイナースクラブカードや各種提携カードの所有者が、追加で申し込める経費決済専用カードです。法人格を持たない個人事業主でも利用でき、ダイナースクラブカードをプライベート用、ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードを事業用と使い分けることで、経費処理の手間を大幅に軽減できます。

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードには、主に次のような特徴があります。

・プライベート用と事業用に分けて支払口座の設定が可能

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードと、本会員カードとなるダイナースクラブカードとで、別々の支払口座の設定が可能。法人口座の設定もでき、利用代金明細書も別になるため、プライベート用と事業用に分けた経費の管理が容易になります。

・年間手数料は経費に計上可能。ポイントは2枚のカードを合算して使える

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードの年間手数料は、事業に関わる支出ですので経費として計上できます。年間手数料が所得税の節税につながるため、お得なクレジットカードといえるでしょう。
なお、クレジットカードの利用で貯まったポイントは本会員カードのポイントと合算して利用できます。

・ダイナースクラブカードならではのサービスを利用できる

ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードでは、ビジネスに役立つサービスの利用が可能です。 JALオンラインのインターネット予約サービスなど、さまざまなビジネスシーンにお役立てください。

■ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードの主な特徴

年間手数料

5,500円(税込)

ポイント付与率

100円につき1ポイント
※税金の納付の場合、200円につき1ポイント

旅行傷害保険

最高補償額1億円(海外・国内)

国際ブランド

ダイナースクラブ(Diners Club)

ETCカード

カード会員本人が所有する車両台数(車載器台数)に応じ5枚まで

ポイント有効期限

なし

ショッピング保険

購入日より90日間、年間500万円まで

経費の管理や税金の支払いにクレジットカードを活用しよう

個人事業税は、法定業種70種で、290万円を超える所得がある個人事業主に課せられる税金です。税率は業種や都道府県によって異なります。個人事業税の金額には所得が大きく関わり、きちんとした経費管理が重要です。

個人事業主ができる節税対策としては、経費をしっかり管理して、事業のための支出は漏らさず経費計上することが欠かせません。事業用のクレジットカード、ダイナースクラブ ビジネスカードやダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードなら、経費を一元管理しつつ、ビジネスに役立つ多彩な特典を利用できます。税金の納付にも対応しており、貯めたポイントは有効期限なしで使えるなど、メリットの多いクレジットカードです。

ダイナースクラブは、1950年に米国・ニューヨークのレストランで生まれ、日本で最初のクレジットカードを発行した国際ブランド。安心して使えること、さまざまなサービスが支持されていることなどは、60年以上の歴史が証明しています。ビジネスに寄り添うダイナースクラブカードをぜひお手元に。

※本記事は、2022年9月現在の情報です。
※カード改定:2023年6月

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