キャッシュフローとは?重要視される理由と、把握する方法を解説
キャッシュフローは、お金の流れを示す言葉で、会社経営において重要な要素のひとつです。
事業の経営状態を把握するには、利益や負債の状況、会社の資産などのほか、実際に出入りするお金の流れも押さえておくことが大切です。
ここでは、お金の流れであるキャッシュフローの重要性と、キャッシュフローを把握する方法、把握するメリット、そしてキャッシュフロー計算書の構造や活用方法を解説します。また、キャッシュフローを安定させるために、クレジットカードの活用についても紹介しますので、参考にしてください。
<目次>
キャッシュフローとは?
キャッシュフローとは、事業におけるお金の流れのことです。お金が入ってくることを「キャッシュ・イン」、その流れを「キャッシュ・イン・フロー」といい、お金が出ていくことを「キャッシュ・アウト」、その流れを「キャッシュ・アウト・フロー」といいます。
キャッシュフローは、キャッシュ・イン・フローとキャッシュ・アウト・フローをまとめたものです。
キャッシュフローの重要性
キャッシュフローを把握しておくことが大切なのは、帳簿上の利益と、実際に手元にある現金にずれが生じてしまうためです。
帳簿への売上計上は収益が確定したタイミングで行われますが、実際の入金日とは異なっています。たとえば、5月1日にA社から100万円の売上があっても、振り込まれるのは5月31日だったとします。すると、売上はあるものの、現金は手元にない期間ができてしまいます。
このずれを把握していないと、たとえばA社からの振込より先にB社への支払期限が来てしまい、売上はあるのに支払えないということが起こります。そうならないために、キャッシュフローを把握しておく必要があるのです。
キャッシュフローを把握するには?
キャッシュフローは、特定の時点における会社の財政状態を表した貸借対照表や、一定期間における経営成績を表した損益計算書からは把握できません。キャッシュフローを把握するには、項目別にお金の増減をまとめたキャッシュフロー計算書という表が役立ちます。
貸借対照表と損益計算書、そしてキャッシュフロー計算書は、会社の財務状況を示す書類「財務諸表」の中でも特に重要な3つの書類として、「財務三表」と呼ばれています。
なお、個人事業主の場合、確定申告の際に提出が必要な貸借対照表や損益計算書とは異なり、非上場企業ではキャッシュフロー計算書の作成義務はありません。ただ、キャッシュフローを把握する上で重要な書類ですので、上場企業でなくても作っておくことをおすすめします。
キャッシュフローを把握するメリット
キャッシュフローを把握するメリットは、大きく分けて2つあります。次に挙げる資金のショートを防止できること、そして金融機関からの信用強化につながることです。
資金ショートを防止できる
キャッシュフローを把握することで、資金ショートの防止に役立ちます。
資金ショートとは、資金不足に陥ることです。キャッシュフローが把握できていないと、実際の売上と資金の把握ができず、必要な経費が発生した場合に資金不足で支払えないことも起こります。特に、支払サイトが取引先ごとで異なる場合は入金のタイミングなどが把握しづらく、資金ショートに陥りやすくなります。最悪の場合は、帳簿上は黒字なのに資金ショートして倒産に至る、黒字倒産にもつながりかねません。
キャッシュフローを把握することで資金ショートを防止し、黒字倒産も防ぐことができます。
金融機関からの信用強化につながる
キャッシュフローを把握しておくことで、金融機関からの信用強化につながります。
金融機関から借入を行う際に、キャッシュフローは必ずチェックされるポイントです。キャッシュフローを健全に保つには、現状を把握しておくことが欠かせません。また、キャッシュフローの把握にはキャッシュフロー計算書の作成が有効ですが、この計算書は金融機関にキャッシュフローの状態を示す資料にもなります。
キャッシュフロー計算書とそのほかの財務三表
キャッシュフローを把握するのに役立つキャッシュフロー計算書は、前述のとおり、会社の財務状況を示す書類「財務諸表」の中でも特に重要な財務三表のひとつです。財務三表は、図のようにお互いに関わり合っています。
■財務三表の関係図
貸借対照表、損益計算書と、キャッシュフロー計算書の特徴は次のとおりです。
キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書は、会計年度間の現金の動きを表したものです。
期間中にどれだけの現金の出入りがあったのかが、営業活動、投資活動、財務活動の3項目に分けて示されています。
貸借対照表
貸借対照表は、決算日時点での会社の財政状態を表したものです。決算日時点で、資産、負債、純資産がそれぞれどれだけあるかが示されています。
貸借対照表が表しているのは「一時点での資産の状態」なので、会計年度中にいくら売上があったのか、いくら借入をしたのかといったことは、貸借対照表からはわかりません。
損益計算書
損益計算書は、会計年度間の会社の経営成績を表したものです。期間中の本業の利益、本業外の利益がそれぞれいくらだったのか、支出がどれだけあったのか、最終的な利益がいくらだったのかといったことが示されています。
損益計算書は、掛け取引を含めた会社の経営成績を表すもので、キャッシュフロー計算書は、現金の出入りのみを表しています。損益計算書上では利益が出ていても、売掛金を回収できていなければ意味がありません。回収できているかは、キャッシュフロー計算書を分析することでチェックできます。
キャッシュフロー計算書の構造
ここからはキャッシュフロー計算書について、もう少し詳しく解説していきましょう。
キャッシュフロー計算書では、お金の出入りが「営業活動によるキャッシュフロー」「投資活動によるキャッシュフロー」「財務活動によるキャッシュフロー」の項目別にまとめられています。
営業活動によるキャッシュフロー
営業活動によるキャッシュフローとは、本業となる事業におけるお金の出入りをまとめたものです。本業でどれだけ売上があったのか、仕入にどれだけお金を使ったかなどが記載されています。
プラスの場合は、本業で利益が出せていることを意味します。営業活動によるキャッシュフローは、常にプラスであることが望ましく、マイナスの場合は資金繰りの改善が必要です。
投資活動によるキャッシュフロー
投資活動によるキャッシュフローとは、土地や建物の取得・売却、有価証券の取得・売却、設備投資などのお金の出入りをまとめたものです。
プラスの場合は資産を売却して現金に換えたことを表し、マイナスの場合は設備投資など、将来につながるお金の使い方をしたことを表します。投資活動によるキャッシュフローは、積極的な設備投資を行った結果であるマイナスが好ましいとされていますが、ほかの項目とのバランスも重要です。
財務活動によるキャッシュフロー
財務活動によるキャッシュフローとは、資金調達によるお金の出入りをまとめたものです。
プラスの場合は新たな借入や出資によってお金が増えたことを表し、マイナスの場合は借入の返済などでお金が減ったことを表します。プラスとマイナスのどちらがよいということはなく、営業活動によるキャッシュフローや投資活動によるキャッシュフローと見比べつつ、評価する必要があります。
キャッシュフロー計算書の活用方法
キャッシュフロー計算書は、キャッシュフローを把握するために必要ですが、具体的にはどのように活用すればよいでしょうか?
キャッシュフロー計算書の主な活用法は、次の2つです。
赤字と黒字のバランスがとれているかをチェックする
キャッシュフロー計算書を活用して、赤字と黒字のバランスをチェックします。
各項目のキャッシュフローがプラスかマイナスかをチェックし、企業の成長段階に合っているか、バランスがとれているかを見ていきます。バランスがとれていない場合は、どこかに問題があると考えられます。また、営業活動によるキャッシュフローがマイナスの場合は、本業で儲けが出ていないことを意味するので、早急に対処する必要があります。
問題を見つけ、原因を分析して対策をとる
キャッシュフローに問題が見つかったら、キャッシュフロー計算書を分析して原因を特定し、対策をとっていきます。
たとえば、営業キャッシュフローがマイナスの場合、それが継続的なものであれば、売掛金の回収に問題がある、粗利が少なすぎるといったことが考えられます。この場合、取引先に交渉して売掛金の回収を早める、販売価格の見直しをするといった対策をとることになります。
キャッシュフロー計算書と資金繰り表との違い
キャッシュフロー計算書と間違えやすいものに資金繰り表がありますが、この2つは別のものです。
キャッシュフロー計算書は、過去のお金の増減をまとめたものです。
各項目のキャッシュフローの状態と全体のバランスを見ることで、経営に問題がないか、問題がある場合は何が原因なのかといったことがわかります。企業の安定性を評価するのに役立つものなので、金融機関から融資を受ける際は提出を求められ、上場企業では作成して公開する義務があります。
これに対し資金繰り表は、今後の売掛金の回収予定や仕入代金、経費の支払い予定などをまとめたもので、将来の資金の増減を予測するための表です。基本的に公開するものではなく、経営者が資金繰りを把握するために作るものになります。
クレジットカードがキャッシュフローの安定に役立つこともある
キャッシュフローの安定に、クレジットカードが役立つことがあります。
キャッシュフローを安定させるには、キャッシュフロー計算書を作成して経営状態をチェックするほか、資金繰り表を作成する、回収まで売掛金の管理を徹底する、在庫を減らす、支払いのタイミングを遅らせるといった対策が有効です。事業用にクレジットカードを導入し、支払いをカードに一本化した場合、決済分は後日まとめて口座からの引き落としになるので、支払いまでに時間の余裕が生まれます。そのため、キャッシュフロー安定の一助になるのです。
事業用にクレジットカードを使うメリット
キャッシュフローの安定に役立つほか、事業用にクレジットカードを活用することは次のようなメリットがあります。特に、クレジットカードの中でも、事業用にはビジネスカードと呼ばれるカードを利用するのがおすすめです。
経費の支払いを一本化することで、経費精算の手間を減らせる
すべての支払いをビジネスカードに一本化することで、経費管理の手間を軽減できます。ビジネスカードの多くは、規定の枚数まで追加カードの発行が可能です。追加カードを従業員に持たせておけば、出張時の立替払いや経費の精算といった、経理の手間もかかりません。
経費でもポイントが貯まる
ビジネスカードも個人カードと同じように、使った分だけポイントが貯まります。貯まったポイントは、ビジネスに役立つアイテム、各種商品券、マイルなどと交換できます。
ビジネスに役立つ付帯サービスがある
ビジネスカードは、各カード会社や国際ブランドが提供するサービスに加え、ビジネスカードならではの、ビジネス支援に特化したサービスが付帯しています。たとえば、会計ソフトやシェアオフィスの優待利用、ビジネスシーンで利用できる店舗の優待プログラムなどのサービスが利用できます。
ステータスカードを持つことで、第三者からの信頼につながる
ビジネスカードの中でも、社会的評価や信用度が高い「ステータスカード」として認知されているカードを持てば、社会的地位や信用、経済力があることの証明になり、第三者からの信頼につながりやすくなります。
ビジネスカードならダイナースクラブ ビジネスカードがおすすめ
いざというとき、キャッシュフローの安定に役立てられるクレジットカード。
中でも、追加カードが発行可能、付帯サービスが充実している、ステータスカードとして広く認知されているといった条件を満たすビジネスカードを選ぶことが大切です。
これらの条件を満たすカードのひとつ、ダイナースクラブ ビジネスカードをご紹介します。
ダイナースクラブ ビジネスカードの特徴
ダイナースクラブ ビジネスカードは、個人事業主・法人経営者向けのビジネス専用カードです。27歳以上で法人・団体などの代表者や役員、または個人事業主であればお申し込みいただけます。
ダイナースクラブ ビジネスカードを事業専用カードにすることで、事業に関する支出をしっかり把握しながら経費管理の手間が省けるようになります。
ダイナースクラブ ビジネスカードには、主に次のような特徴があります。
・従業員を含めた経費の一元管理が可能
ダイナースクラブ ビジネスカードは、4枚まで年会費無料で従業員用の追加カードの発行が可能(3,4枚目は1枚あたり年間5,500円(税込)のカード維持手数料がかかります)。従業員が18歳以上であれば発行できます。従業員を含めた経費の一元管理が可能になり、出張費の精算や仮払いの手間も省けます。
・ダイナースクラブ ビジネスカードならではのサービスが利用できる
ダイナースクラブカードで利用できるサービスにプラスして、さらにビジネスに役立つ優待特典も多数ご利用いただけます。
たとえば、会計ソフトとの連携、税務相談や法律相談などの優待サービスがあるほか、事業承継やM&Aなどのビジネスコンサルティングサービスなどもあります。ゴルファー保険をはじめとするゴルフ優待サービスや加盟店優待、JALオンラインのインターネット予約サービスなどもご利用いただけますので、さまざまなビジネスシーンにご活用ください。
■ダイナースクラブ ビジネスカードの主な特徴
年会費 | 27,500円(税込) |
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ポイント付与率 | 100円につき1ポイント ※税金の納付の場合、200円につき1ポイント |
旅行傷害保険 | 最高補償額1億円(海外・国内) |
国際ブランド | ダイナースクラブ(Diners Club) |
追加会員、追加カード | 追加会員4名まで、1会員につき1枚まで ※年会費無料 ※カード維持手数料:3,4枚目のみ1枚あたり年間5,500円(税込) |
ETCカード | ・基本会員は5枚まで発行可能 ・追加会員は1会員につき1枚まで発行可能 ※ETCカードの発行枚数の上限は、追加会員の人数に関わらず、4枚までです。 |
ポイント有効期限 | なし |
ショッピング保険 | 購入日より90日間、年間500万円まで |
キャッシュフローを把握しながらクレジットカードを上手に利用しよう
事業を行う上で、把握しておくことが大切なキャッシュフロー。
把握していないと、売上があっても資産不足に陥り、最悪の場合は黒字倒産になる可能性もあります。キャッシュフローを安定させ、黒字倒産を防ぐには、キャッシュフロー計算書を作って経営に問題がないかをチェックしたり、資金繰り表を作って、将来必要な資金を予測したりといった対策が有効です。また、回収まで売掛金の管理を徹底する、在庫を減らす、支払いのタイミングを遅らせるといったことも、キャッシュフローの安定につながります。
このほかの方法として、支払いをクレジットカードカードに一本化すれば、支払いのタイミングを遅らせることにつながります。支払額に応じてポイントが貯まる、経費管理の手間を軽減できるといったクレジットカードならではのメリットのほか、ビジネス利用に特化したビジネスカードであれば、さまざまなビジネスシーンで役立つ付帯サービスの利用が可能です。
さまざまなクレジットカードの中でもダイナースクラブ ビジネスカードなら、ビジネスに役立つ特典が充実しており、ステータスカードとして第三者からの信用を得やすくなる効果も期待できます。
ダイナースクラブは、1950年に米国・ニューヨークのレストランで生まれ、日本で最初の多目的クレジットカードを発行した国際ブランド。安心して使えること、さまざまなサービスが支持されていることなどは、60年以上の歴史が証明しています。
ビジネスに寄り添うダイナースクラブカードを、ぜひお手元に。