クレジットカード決済の仕訳方法は?個人事業主に便利なカードも解説
経費の決済にクレジットカードを使った場合、仕訳方法は現金決済とは異なります。リボ払いや分割払いなどを利用した場合も含めて、仕訳方法をしっかりと把握しておきましょう。
ここでは、経費をクレジットカードで決済した場合の記帳を行うタイミングと記帳内容、仕訳に使う勘定科目や取引に対する仕訳のパターンのほか、リボ払いや分割払いなどを利用した場合の仕訳方法を解説します。
<目次>
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・クレジットカード決済で仕訳内容が異なるパターン
・事業用クレジットカードで事業経費を支払った
・事業用クレジットカードでプライベートな費用を支払った
・プライベート用のクレジットカードで事業経費を支払った
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・経費支払いを事業用クレジットカードに一本化するメリット
・仕訳の手間が減る
・利用明細書を確認すればいいので支出が把握しやすい
・経費精算が不要になる
・記帳し忘れ防止になる
・ポイントを利用することで経費削減につながる
・ビジネスに適した付帯サービスを利用できる
記帳するタイミングと記帳内容
クレジットカード決済の場合、実際に代金が引き落とされるタイミングではなく、「クレジットカードで決済した日」で記帳します。これは「発生主義」といって、売上の収入や費用については金銭のやりとりに関係なく取引が発生した時点で記帳します。そのため、クレジットカードで決済をした日で記帳するのが基本です。
ただし、記帳する内容は、青色申告か白色申告かで異なります。
青色申告の記帳内容
白色申告の記帳内容
クレジットカード決済で仕訳に使う勘定科目
■クレジットカード決済で使用する勘定科目
未払金
事業主貸
事業主借
クレジットカード決済で仕訳内容が異なるパターン
<仕訳内容が異なる3つのパターン>
- ・事業用クレジットカードで事業経費を支払った
- ・事業用クレジットカードでプライベートな費用を支払った
- ・プライベート用のクレジットカードで事業経費を支払った
事業用クレジットカードで事業経費を支払った
事業用のクレジットカードで事業経費を支払った場合、決済したときと口座振替されたときで2回の仕訳が必要です。決済日に「未払金」として処理し、口座振替日に「未払金」を「普通預金」で相殺する処理を行います。
例として、8月1日に、事業用クレジットカードでノートパソコンを8万円で購入し、9月10日に代金が口座振替された場合は次のように記帳します。
■事業用クレジットカードで事業経費を支払う場合の仕訳
借方 | 貸方 | |||
---|---|---|---|---|
8月1日 | 消耗品費 | 80,000円 | 未払金 | 80,000円 |
9月10日 | 未払金 | 80,000円 | 普通預金 | 80,000円 |
■事業用クレジットカードで事業経費を支払う場合の仕訳(簡略版)
借方 | 貸方 | |||
---|---|---|---|---|
9月10日 | 消耗品費 | 80,000円 | 普通預金 | 80,000円 |
事業用クレジットカードでプライベートな費用を支払った
事業用クレジットカードでプライベートな費用を支払った場合、決済日の仕訳は必要ありません。口座振替は、事業用クレジットカードに紐づけされている事業用の口座から行われますので、口座振替日に借方を「事業主貸」、貸方を「普通預金」として処理します。
たとえば、8月1日に事業用クレジットカードで自宅用の家電を3万円で購入し、9月10日に代金が口座振替された場合は次のように記帳します。
■事業用クレジットカードでプライベートな費用を支払う場合の仕訳
借方 | 貸方 | |||
---|---|---|---|---|
9月10日 | 事業主貸 | 30,000円 | 普通預金 | 30,000円 |
プライベート用のクレジットカードで事業経費を支払った
プライベート用のクレジットカードで事業経費を支払った場合、決済日に、借方を「接待交際費」などの支出の内容に応じた勘定科目、貸方を「事業主借」として仕訳します。口座振替は、プライベート用のクレジットカードに紐づけされている口座から行われますので、口座振替日の仕訳は必要ありません。
例として、8月1日にプライベート用のクレジットカードで事業に関する打ち合わせの会食費1万円を支払い、9月10日に、代金がプライベート用口座から振替された場合は、次のように記帳します。
■プライベート用のクレジットカードで事業経費を支払う場合の仕訳
借方 | 貸方 | |||
---|---|---|---|---|
8月1日 | 接待交際費 | 10,000円 | 事業主借 | 10,000円 |
リボ払いや分割払い、ポイント払い、キャッシュバックを利用した場合の仕訳方法
リボ払い・分割払いを利用した場合
クレジットカードを利用する際、リボ払いや分割払いで決済する場合もあるでしょう。基本的な仕訳方法は変わりませんが、利息分は費用の勘定科目「支払利息」を使って処理します。
例として、8月1日に、8万円のノートパソコンを事業用クレジットカードの4回払いで購入し、9月10日に、初回の口座振替分として、事業用口座から現金2万円と金利手数料800円が振替された場合は、次のように記帳します。
■リボ払い・分割払いを利用した場合の仕訳
借方 | 貸方 | |||
---|---|---|---|---|
8月1日 | 消耗品費 | 80,000円 | 未払金 | 80,000円 |
9月10日 | 未払金 | 20,000円 | 普通預金 | 20800円 |
支払利息 | 800円 |
ポイント払いを利用した場合
クレジットカード決済を行った際、全額をポイント払いした場合、記帳の必要はありません。 一方、たとえば1万円のものを2,000円分のポイントを使って8,000円で購入したなど、ポイントを使って値引きを受けた場合は、口座振替日に値引き分の処理をします。複数購入して、ポイントを使用した品目がわからない場合、任意の品目から値引きされたことにして処理をします。
例として、8月1日に、1万円のオフィス家電を事業用クレジットカードで購入し、その際、ポイントを2,000円分使ったとします。そして9月10日に、事業用口座から8,000円が口座振替された場合は、次のように記帳します。
■ポイント払いを利用してオフィス家電を購入した場合の仕訳
借方 | 貸方 | 摘要 | |||
---|---|---|---|---|---|
8月1日 | 消耗品費 | 10,000円 | 未払金 | 10,000円 | オフィス家電 |
9月10日 | 未払金 | 10,000円 | 普通預金 | 8,000円 | クレジットカード払い |
消耗品費 | 2,000円 | 値引き分 |
■ポイント払いを利用してオフィス家電と書籍を購入した場合の仕訳
借方 | 貸方 | 摘要 | |||
---|---|---|---|---|---|
8月1日 | 消耗品費 | 10,000円 | 未払金 | 15,000円 | オフィス家電 |
新聞図書費 | 5,000円 | 書籍 | |||
9月10日 | 未払金 | 15,000円 | 普通預金 | 13,000円 | |
消耗品費 | 2,000円 | 値引き分 |
キャッシュバックを受けた場合
クレジットカードのキャッシュバック(現金還元)を受けた場合、キャッシュバックがあった日に、「雑収入」として処理します。
例として、9月1日に2,000円のキャッシュバックを受けた場合は、次のように記帳します。
■キャッシュバックを受けた場合の仕訳
借方 | 貸方 | |||
---|---|---|---|---|
9月1日 | 普通預金 | 2,000円 | 雑収入 | 2,000円 |
レシートや利用明細書などは大切に保管する
なお、消費税のルールには、課税事業者が納税すべき消費税を計算する際に、課税売上にかかる消費税額から課税仕入れにかかった消費税額を差し引ける「仕入税額控除」の仕組みがあります。しかし、クレジットカード会社が発行する請求明細書だけでは消費税法上の領収書にはあたらないため、仕入税額控除が認められない点に注意が必要です。
仕入税額控除を受けるには、店舗が発行するインボイス(適格請求書)が必要になります。店舗が発行したレシートや購入明細が、インボイスの要件を満たしていれば、仕入税額控除の適用を受けられます。
インボイスの少額特例
この少額特例の適用対象者は、「基準期間における課税売上高が1億円以下または特定期間における課税売上高が5千万円以下の事業者」です。基準期間とは、個人事業主はその年の前々年、事業年度が1年の法人はその事業年度の前々事業年度を指します。特定期間とは、個人事業主は前年の1~6月、法人は前事業年度の開始の日以後6ヵ月のあいだのことです。
詳しくは、国税庁「 少額特例(一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置の概要)の概要」をご確認ください。
インボイス制度でクレジットカード決済はどう変わったかを解説
経費支払いを事業用クレジットカードに一本化するメリット
経費の支払いを事業用クレジットカードに一本化すると、次に挙げるようなさまざまなメリットがあります。
仕訳の手間が減る
事業経費の支払いはすべて事業用クレジットカードで決済し、さらに事業経費だけを決済するように徹底すれば、いちいちどの仕訳パターンなのか確かめて記帳する必要がありません。
利用明細書を確認すればいいので支出が把握しやすい
経費精算が不要になる
従業員に追加カードを持たせ、接待交際費や交通費などはすべてクレジットカード決済にしておけば、仮払いや出張費用の精算といった手間がなくなります。
記帳し忘れ防止になる
ポイントを利用することで経費削減につながる
クレジットカードは、決済金額に応じてポイントが貯まります。貯まったポイントは、オフィスでも活躍する家電や航空マイル、商品券などへの交換やキャッシュバックが可能なので、その分が経費削減にもつながります。
ビジネスに適した付帯サービスを利用できる
クレジットカードには、出張時のチケット手配サービスやレストランの優待利用など、便利なサービスが付帯していますので、ビジネスに役立つさまざまなサービスを利用できます。
個人事業主におすすめの事業用クレジットカード
ダイナースクラブ ビジネスカード
ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカード(経費決済専用カード)
ビジネスカードにもさまざまな種類がありますが、ビジネスの場で広く利用することを考えると、信頼につながるカードブランド「ダイナースクラブ」がおすすめです。
ダイナースクラブのカードラインナップには、ビジネスに特化した個人カード「ダイナースクラブ ビジネスカード」と、個人向けのダイナースクラブカードに付帯できる経費決済専用の「ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカード」があります。
ダイナースクラブ ビジネスカードの特徴
・企業役員や医師、弁護士など、社会的信用の高い人々に利用されてきた実績がある
創業当時から今に至るまでの、クラブの信頼とステータスを高めるための積み上げがあるからこそ、ステータスカードとして広く認知されています。
・ダイナースクラブ ビジネスカードならではのサービスが利用できる
たとえば、会計ソフトとの連携、税務相談や法律相談などの優待サービスがあるほか、事業承継やM&Aなどのビジネスコンサルティングサービスなどもあります。ゴルファー保険をはじめとするゴルフ優待サービスや加盟店優待、JALオンラインのインターネット予約サービスなどもご利用いただけますので、さまざまなビジネスシーンにご活用ください。
・ポイントの有効期限なしで、ワンランク上の賞品と交換できる
・利用可能枠に一律の制限なし
・登記事項証明書の提出が不要、個人の信用で申し込みできる
・充実のビジネス特典がある
・従業員を含めた経費の一元管理が可能
■ダイナースクラブ ビジネスカードの主な特徴
年会費 | 27,500円(税込) |
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ポイント付与率 | 100円につき1ポイント
※税金の納付や一部加盟店の利用は、200円につき1ポイント |
旅行傷害保険 | 最高補償額1億円(海外・国内) |
国際ブランド | ダイナースクラブ(Diners Club) |
追加会員 | 年会費無料(追加カード発行は4枚まで)
※カード維持手数料:3,4枚目のみ1枚あたり年間5,500円(税込) |
ETCカード | ・基本会員は5枚まで発行可能
・追加会員は1会員につき1枚まで発行可能 |
ポイント有効期限 | なし |
ショッピング保険 | 購入日より90日間、年間500万円まで |
ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードの特徴
・プライベート用と事業用に分けて支払口座の設定が可能
・年間手数料は経費に計上可能。ポイントは2枚のカードを合算して使える
なお、クレジットカードの利用で貯まったポイントは本会員カードのポイントと合算して利用できます。
・ダイナースクラブカードならではのサービスを利用できる
■ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードの主な特徴
年会費 | 5,500円(税込) |
---|---|
ポイント付与率 | 100円につき1ポイント
※税金の納付や一部加盟店の利用は、200円につき1ポイント |
旅行傷害保険 | 最高補償額1億円(海外・国内) |
国際ブランド | ダイナースクラブ(Diners Club) |
ETCカード | カード会員本人が所有する車両台数(車載器台数)に応じ5枚まで |
ポイント有効期限 | なし |
ショッピング保険 | 購入日より90日間、年間500万円まで |
※ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカード単体の発行はできません。
クレジットカード決済にはビジネスカードを利用しよう
クレジットカード決済の仕訳は、事業用カードで経費を支払った場合、事業用カードでプライベートの支出を支払った場合、プライベート用のカードで経費を支払った場合の3パターンあり、それぞれ処理方法が異なります。これらが混在すると仕訳に手間がかかるため、経費決済は事業用クレジットカードに一本化するのがおすすめです。また、事業用のクレジットカードとしては、ビジネス利用に特化したビジネスカードをおすすめします。
ビジネスカードはさまざまな種類があり、どのカードを選ぶか迷うかもしれませんが、ビジネスカードを選ぶ際に重要な要素はステータスです。ステータスの高いクレジットカードを持っているということは、安心できるビジネスを展開している証でもあります。ダイナースクラブは、1950年に米国・ニューヨークのレストランで生まれ、日本で最初の多目的クレジットカードを発行した国際ブランド。安心して使えること、さまざまなサービスが支持されていることなどは、60年以上の歴史が証明しています。
そして、ダイナースクラブ ビジネスカードは、JALオンラインのインターネット予約サービスや会計ソフトとの連携など、ビジネスに役立つ特典が充実。法人でも申し込みに登記事項証明書等が不要で、個人の信用のみで審査を受けられる魅力もあります。
ビジネスに寄り添うダイナースクラブカードをぜひお手元に。
※本記事は、2023年10月現在の情報です。