個人事業主が行うべき節税対策とは?おすすめの経費管理の方法も紹介

個人事業主として事業を営んでいると、さまざまな税金を納めることになります。税金を納めることは国民の義務として非常に大切なことですが、必要以上に納めることはありません。正しい税額を、最低限に抑えて納めることが大切です。
ここでは、個人事業主が納める税金の種類と、個人事業主が活用できる節税対策について解説。必要経費を漏れなく計上して節税につなげるための、おすすめの経費管理方法についても紹介します。
<目次>
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・個人事業主の節税対策
・青色申告で確定申告を行う
・必要経費を正しく計上する
・所得控除を活用する
・少額減価償却資産の特例制度を活用する
・家賃や生命保険料などを年払いにする
・小規模企業共済制度・経営セーフティ共済などに加入する
・iDeCoに加入する
・ふるさと納税で寄附金控除を利用する
・売上が増えたら法人化する
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・経費を漏れなく計上するには、クレジットカードを利用するのがおすすめ
・利用明細書を確認すればいいので支出が把握しやすい
・経費精算が不要になる
・記帳し忘れ防止になる
・ポイントを利用することで経費削減につながる
・ビジネスに適した付帯サービスを利用できる
個人事業主が納める税金の種類
個人事業主が事業を営む場合、納める主な税金は所得税、消費税、住民税、個人事業税の4つです。ここではこの4つの税金について解説します。
なお、この4つの税金以外にも、国民年金保険や国民健康保険の保険料のほか、事業内容によっては、店舗・オフィスなどにかかる固定資産税、事業用の車にかかるガソリン税・自動車税なども必要になります。
所得税
個人事業主は、毎年1月1日~12月31日の1年間で得た所得金額を計算して納税額を算出し、翌年2月16日~3月15日(土日祝日の場合は翌月曜)の期間中に税務署に申告する「確定申告」を行って、所得税を納付します。なお2037年までは、基準所得税額の2.1%分にあたる復興特別所得税も申告・納付します。
消費税
納める額は、「消費税の課税売上にかかる消費税」から「課税仕入れにかかる消費税」を差し引いた金額で、所得税と同じように、自分で計算・申告して納付します。
住民税
定額の「均等割り」と前年の所得金額を元に計算される「所得割」で構成されており、均等割りは5,000円前後、所得割の標準税率は課税所得の10%となっています。毎年6月頃に自治体から送られてくる納付書に基づき、原則として1~4期の4回払いで納めます。
個人事業税
なお、ライターやプログラマー、漫画家など、法定業種に指定がない業種の事業者は納税義務者ではありません。
個人事業税は経費に計上できる?課税されないケースや納付方法も紹介
個人事業主の節税対策
■個人事業主の主な節税対策一覧

青色申告で確定申告を行う
青色申告とは、複式簿記による会計帳簿の作成を行って、所得税を申告する方法です。青色申告で確定申告を行うと、特別控除などの優遇措置があります。青色申告には、大きく次の3つのメリットがあります。
<青色申告のメリット>
- ・所得から最大65万円を差し引く青色申告特別控除が受けられる
- ・家族従業員に支払った給与について、その給与水準が適当であれば、全額経費とすることができる
- ・赤字を最長3年間繰り越せる
なお、最大65万円の青色申告特別控除を受けるには、次に挙げるような条件が必要になります。
<最大65万円の青色申告特別控除を受ける主な条件>
- ・複式簿記方式で会計帳簿を付ける
- ・確定申告時には貸借対照表と損益計算書を提出する
- ・申告期限内に確定申告を行う
- ・e-Taxによる申告または優良な電子帳簿保存を行う
必要経費を正しく計上する
所得税や住民税、個人事業税の税額は、売上から経費と所得控除を差し引いた課税所得を元に計算されるため、経費や所得控除として計上される額が多いほど、課税標準である所得の金額は少なくなります。もちろん、事業に関係ないプライベートな支出まで経費とすることはできませんが、経費として計上できるものは、漏らさずに必要経費として計上することが大切です。
個人事業主が経費として計上できるのは、「事業に必要だと証明できる費用」です。たとえば、次のような費用が該当します。
<個人事業主が経費に計上できる費用>
- ・事業税や印紙税、固定資産税など
- ・宅配便や郵送の料金
- ・オフィスや店舗の水道光熱費、地代家賃
- ・インターネット回線などの通信費
- ・電車代、ガソリン代などの旅費交通費
- ・社用車の購入費用などの車両費
- ・得意先との会食費用などの接待交際費
- ・店舗の火災保険料などの損害保険料
- ・店舗外壁の塗替え費用などの修繕費
- ・10万円未満のパソコン、プリンターなどの消耗品費
- ・従業員の慶弔見舞金などの福利厚生費
- ・従業員に支払う給与や賞与
- ・外部の専門家に依頼する外注費
- ・借入金の利息
- ・求人広告の掲載費などの広告宣伝費
経費を漏れなく計上するおすすめの方法は、経費の支払い方法を事業用口座に紐づいたクレジットカードに一本化することです。さらに会計ソフトを導入して、自動で利用履歴を取り込むようにしておけば、計上漏れの心配はなく、経費管理も楽になります。
個人事業主が経費計上できるものは?効率的な経費管理方法も紹介
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所得控除を活用する
所得控除には、次のようなものがあります。
<個人事業主が利用できる主な所得控除>
- ・基礎控除
- ・配偶者控除、配偶者特別控除
- ・扶養控除
- ・医療費控除
- ・寄附金控除
- ・社会保険料控除
- ・生命保険料控除
- ・地震保険料控除
- ・小規模企業共済等掛金控除
- ・ひとり親控除・寡婦控除
- ・勤労学生控除
- ・障害者控除
- ・雑損控除
少額減価償却資産の特例制度を活用する
減価償却とは、長期間に渡って使用される固定資産の購入費を、税法上の資産の耐用年数で分割して計上する会計手法です。基本的には、10万円以上の固定資産は、購入年度の経費として全額を計上することはできず、減価償却を行うことになります。
少額減価償却資産の特例制度とは、一定の条件を満たした中小企業者に対し、30万円未満の固定資産であれば一括で購入年度の経費に計上できるとするものです。売上が大きい年にこの特例を活用すれば、その分の課税所得を小さくすることができ、節税につながります。
個人事業主が少額減価償却資産の特例を受けるための一定の条件とは、次の通りです。
<少額減価償却資産の特例制度が利用できる条件>
- ・青色申告をしている中小企業者(常時使用する従業員数が1,000人以下)であること
- ・取得した資産の金額が30万円未満、かつ年度内での合計額が300万円未満であること
- ・青色申告決算書に必要事項を記入し、確定申告時に提出すること
家賃や生命保険料などを年払いにする
家賃や生命保険料、ネット回線使用料などは、継続的なサービスを受けることを前提に、半年分や1年分の料金を前払いした経費を、まとめて計上する方法です。このとき、基本的には支払った年度の経費ではなく、実際にサービスを利用した年度の経費に計上するのですが、条件を満たすことで短期の前払費用として認められ、支払った年度に経費計上することができます。条件は、「支払日から1年以内にサービスなどの提供を受ける」「年払いに関する契約書がある」、「支払方法や経理の方法は同じものを継続する」などです。
売上が大きい年は、短期の前払費用を活用することで計上する経費を増やし、課税所得を小さくすることができます。
小規模企業共済制度・経営セーフティ共済などに加入する
小規模企業共済は、毎月定額を積み立てていく、個人事業者や小規模企業の経営者向けの退職金制度です。経営セーフティ共済は、売掛金が回収困難になった場合に備え、毎月一定額を積み立てていく共済制度です。小規模企業共済の掛金は、経費には計上できませんが全額が「小規模企業共済等掛金控除」の対象となり、経営セーフティ共済の掛金は、全額必要経費に算入できます。
これらに加入しておけば、節税対策をしながら退職金を準備したり、取引先の倒産等の万が一の事態に備えたりできます。
iDeCoに加入する
iDeCoは、公的年金にプラスして老後の資金を準備するための任意加入の年金制度です。自分が拠出した掛金を、自分が指定する方法で運用して資産を形成し、60歳以降に年金を受け取る仕組みになっています。掛金は、月5,000円以上1,000円単位で設定でき、その限度額は国民健康保険の加入資格によって異なります。多くの個人事業主が属する国民健康保険の第一号被保険者については、月6万8,000円が上限です。
iDeCoに拠出した掛金は、所得控除の「小規模企業共済等掛金控除」の対象となるので、その分課税所得が小さくなります。大きな節税効果がありますが、iDeCoは年金制度ですので、基本的に60歳を迎えるまで引き出せないことには注意が必要です。
ふるさと納税で寄附金控除を利用する
ふるさと納税は、自治体に寄附をする代わりに返礼品が受け取れる制度です。ふるさと納税として寄附した金額のうち2万円を超える分が、所得控除のひとつである寄附金控除の対象となります。寄附金控除となる額には上限があり、所得税は総所得額の40%、住民税は総所得額の30%です。
ふるさと納税を行うには、専用サイトからクレジットカードを使って寄附するのが便利です。クレジットカードによっては、ポイントモールを経由することで獲得ポイントがアップするといった、うれしい特典もあります。たとえば、ダイナースクラブの場合、ポイントモールを経由してふるさと納税サイトを利用すれば、寄附金額に応じて追加でボーナスポイントが加算されます。
売上が増えたら法人化する
法人化すると役員の給料は「役員報酬」として会社の経費となり、事業主である役員への所得税や住民税は、役員報酬などの個人の収入のみに対して課せられるようになります。そして、事業所得にかかる税金は、所得税ではなく法人税です。個人にかかる所得税の税率は累進課税制で最大45%ですが、法人税の税率は、中小法人の場合、所得800万円までが15%、所得800万円を超える部分から23.4%です。そのため、法人化すると税額が減る場合があります。ただし、法人化するにも設立費用などがかかりますし、社会保険料の額なども変わります。法人化が節税につながるかどうかは納税額だけではなく、収支など全体を見て判断することが大切です。
一般的に、個人事業主は利益(売上-経費)が800万円を超えたぐらいが、法人化を検討する目安とされています。また、副業で不動産投資を行っている場合は、本業と不動産投資の利益が700万円を超えると、法人化したほうが税制上有利になるともいわれています。
経費を漏れなく計上するには、クレジットカードを利用するのがおすすめ
経費を漏れなく計上する方法として、クレジットカードの利用をおすすめします。
主な節税対策の中で、基本でありながらも手間がかかるのは、日々発生する必要経費をしっかり仕訳し、漏れなく経費計上する経費管理です。これを解消するには、事業用クレジットカードを1枚持って経費の支払いを一本化し、会計ソフトと連携する方法がおすすめです。クレジットカードを利用した日付や金額、勘定科目なども少ない手間で記帳することができます。
このほか、経費の支払いを事業用クレジットカードに一本化すると、次に挙げるようなさまざまなメリットがあります。
利用明細書を確認すればいいので支出が把握しやすい
経費精算が不要になる
従業員に追加カードを持たせ、接待交際費や交通費などはすべてクレジットカード決済にしておけば、仮払いや出張費用の精算といった手間がなくなります。
記帳し忘れ防止になる
ポイントを利用することで経費削減につながる
クレジットカードは、決済金額に応じてポイントが貯まります。貯まったポイントは、オフィスでも活躍する人気メーカーの家電や航空マイル、商品券などへの交換やキャッシュバックが可能なので、その分が経費削減にもつながります。
ビジネスに適した付帯サービスを利用できる
クレジットカードには、出張時のチケット手配サービスやレストランの優待利用など、便利なサービスが付帯していますので、ビジネスに役立つさまざまなサービスを利用できます。
個人事業主の経費管理におすすめの事業用クレジットカード
ダイナースクラブ ビジネスカード
ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカード(経費決済専用カード)

個人事業主が事業用クレジットカードを持つ際、一般的な個人カードを事業用として利用することもできますが、ビジネス利用に特化したビジネスカード(法人カード)を持つのがおすすめです。ビジネスカードには、社員用の追加カードが発行できる、振替口座を法人口座にできる、ビジネス向けの付帯サービスが充実しているなど、個人カードでは得られないメリットがあります。
ビジネスカードにもさまざまな種類がありますが、ビジネスの場で広く利用することを考えると、信頼につながるカードブランド「ダイナースクラブ」がおすすめです。
ダイナースクラブのカードラインナップには、ビジネスに特化した個人カード「ダイナースクラブ ビジネスカード」と、個人向けのダイナースクラブカードに付帯できる経費決済専用の「ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカード」があります。
ダイナースクラブ ビジネスカードの特徴
ダイナースクラブ ビジネスカードの特徴は次の通りです。

・企業役員や医師、弁護士など、社会的信用の高い人々に利用されてきた実績がある
創業当時から今に至るまでの、クラブの信頼とステータスを高めるための積み上げがあるからこそ、ステータスカードとして広く認知されています。
・ダイナースクラブ ビジネスカードならではのサービスが利用できる
たとえば、会計ソフトとの連携、税務相談や法律相談などの優待サービスがあるほか、事業承継やM&Aなどのビジネスコンサルティングサービスなどもあります。ゴルファー保険をはじめとするゴルフ優待サービスや加盟店優待、JALオンラインのインターネット予約サービスなどもご利用いただけますので、さまざまなビジネスシーンにご活用ください。
・ポイントの有効期限なしで、ワンランク上の賞品と交換できる
・利用可能枠に一律の制限なし
・登記事項証明書の提出が不要、個人の信用で申し込みできる
・充実のビジネス特典がある
・従業員を含めた経費の一元管理が可能
■ダイナースクラブ ビジネスカードの主な特徴
年会費 | 27,500円(税込) |
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ポイント付与率 | 100円につき1ポイント
※税金の納付や一部加盟店の利用は、200円につき1ポイント |
旅行傷害保険 | 最高補償額1億円(海外・国内) |
国際ブランド | ダイナースクラブ(Diners Club) |
追加会員 | 年会費無料(追加カード発行は4枚まで)
※カード維持手数料:3,4枚目のみ1枚あたり年間5,500円(税込) |
ETCカード | ・基本会員は5枚まで発行可能
・追加会員は1会員につき1枚まで発行可能 |
ポイント有効期限 | なし |
ショッピング保険 | 購入日より90日間、年間500万円まで |
ダイナースクラブ ビジネスカードの特徴

・プライベート用と事業用に分けて支払口座の設定が可能
・年間手数料は経費に計上可能。ポイントは2枚のカードを合算して使える
なお、クレジットカードの利用で貯まったポイントは本会員カードのポイントと合算して利用できます。
・ダイナースクラブカードならではのサービスを利用できる
■ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカードの主な特徴
年会費 | 5,500円(税込) |
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ポイント付与率 | 100円につき1ポイント
※税金の納付や一部加盟店の利用は、200円につき1ポイント |
旅行傷害保険 | 最高補償額1億円(海外・国内) |
国際ブランド | ダイナースクラブ(Diners Club) |
ETCカード | カード会員本人が所有する車両台数(車載器台数)に応じ5枚まで |
ポイント有効期限 | なし |
ショッピング保険 | 購入日より90日間、年間500万円まで |
※ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカード単体の発行はできません。
ビジネスカードを活用して賢く節税しよう
個人事業主が節税するには、使える制度をしっかり把握して活用し、必要経費を漏れなく計上することが大切です。経費管理は手間はかかりますが、経費の支払いをビジネスカードに一本化して会計ソフトを導入すれば作業負担を軽減できるので、ぜひ試してみてください。
ビジネスカードはさまざまな種類があり、どのカードを選ぶか迷うかもしれませんが、ビジネスカードを選ぶ際に重要な要素はステータスです。ステータスの高いクレジットカードを持っているということは、安心できるビジネスを展開している証でもあります。ダイナースクラブは、1950年に米国・ニューヨークのレストランで生まれ、日本で最初のクレジットカードを発行した国際ブランド。安心して使えること、さまざまなサービスが支持されていることなどは、60年以上の歴史が証明しています。
そして、ダイナースクラブ ビジネスカードは、JALオンラインのインターネット予約サービスや会計ソフトとの連携など、ビジネスに役立つ特典が充実。法人でも申し込みに登記事項証明書等が不要で、個人の信用のみで審査を受けられる魅力もあります。
ビジネスに寄り添うダイナースクラブカードをぜひお手元に。
※本記事は、2023年10月現在の情報です。