SDGs 17のゲート
持続可能な社会のためにわたしたちができること
夏の猛暑が年々深刻化する昨今。温暖化の一因である冷房を利用する時期も長くなり、悪循環を招いている。サステナブルな世の中の実現は、ひとりひとりの小さな努力の積み重ねがあってこそ。この夏は、クールビズの一環として、うちわを利用しながら冷房の温度や利用頻度を見直す対策に取り組んで、地球環境を守る意識を高めてはいかがだろうか。
数あるうちわの中でもおすすめしたいのは、軽く、あおぎやすい竹うちわ。その国内シェア1位を誇るのが、江戸時代から400年の歴史を持つ伝統的工芸品“丸亀うちわ”である。丸亀が一大生産地となったきっかけは、寛永10年(1633年)に金毘羅大権現の金光院住職が考案した丸金印の渋うちわ。
金毘羅参りの土産品として全国へ広まり、中国やアメリカへも輸出されたそうだ。近年、丸亀うちわは機械貼りのポリプロピレン骨のものが主流になっている。それでも、渋うちわをルーツに持つ伝統的工芸品である丸亀うちわの知名度を上げることで、職人の後継者を増やし、伝統と文化を継承していきたいという思いを持って『うちわ屋 涼』が誕生。
丸亀市やその周辺の職人が、1本1本、受け継いだ技術で手作りしたものだけを扱い、生粋の丸亀うちわの魅力を伝えている。最近注目を集めているのは、海洋汚染の問題に着目したうちわ。デザイン性も高いので、インテリアとしてリビングの一角に置いておけば、目に涼やかで、気分まで爽やかになりそうだ。
海洋汚染を引き起こす原因として最も危惧されている、廃棄予定の漁網。それをモダンにアップサイクルした「REFINE(リフィネ)」。多様なデザインを揃える丸亀うちわだからこそ完成したスタイリッシュなシリーズだ。骨が平行に寝て、均等に広がる姿や、鎌と呼ばれる下部の曲線が和紙を貼ったへりまで自然につながっているところに熟練の技が冴える。
右と左は「元透かし 角型」各4,290円、中央は「元貼り 角型」5,170円(全て税込)。
写真・大志摩 徹 文・小倉理加
*掲載情報は2023年7月号掲載時点のものです。
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