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目利きが選ぶアレやコレ
第16回：すぐにでも飛んで行きたい注目の場所

イラストレーション・naohiga

すぐにでも飛んで行きたいと思うほどの場所には、必ず心を満たす何かがある。その人にしかわからなくても、その時に必要な何かが。目利きたちにそんな注目の場所と、その先にあるものは何かを伺ってみた。

01 Karen KIRISHIMA

02 Maho TOYOTA

03 Takanori NAKAMURA

01 Karen KIRISHIMA

\ 初登場！/
観葉植物と葉山暮らしを堪能する
ライフクリエイター
桐島かれん

圧倒的な生き様を残した偉人の家を訪ね、
暮らしの息遣いを感じてみたい

独身時代に20回以上、そして結婚後も引越しを重ねてきたので、家や場所への執着がありません。でもその分、“暮らし”には並々ならぬパッションがあります。そんな私がすぐにでも飛んで行きたい注目の場所といえば、孤高の画家ジョージア・オキーフがアトリエを構えて住んだニューメキシコ・アビキューの家。

大窓からの絶景やインテリアのセンスもさることながら、ハーブの瓶や調味料なども生前のままに公開されていて、まさに彼女の“暮らしぶり”を垣間見ることができるんです。コロナ禍、海外のYouTubeを見て観葉植物を育てることに熱中し始めたのですが、英国の個人宅の庭を見に行くのも近い将来の夢。

もし自分自身で完璧な家をつくることができたら、飽くなき探求は終わるのかもしれません。けれどどこかに素敵な暮らしぶりがあるかぎり、そこは飛んで行きたい場所になるんです。

Karen KIRISHIMA

1964年生まれ。1986年に大手化粧品会社のイメージキャラクターに起用され、以降モデル、女優、歌手、ラジオパーソナリティと多方面で活躍。1993年に写真家、上田義彦氏と結婚、四児の母。現在は、ファッションブランド「ハウスオブロータス」のクリエイティブディレクターとして世界中を飛び回る日々。

Instagram @houseoflotus_official

02 Maho TOYOTA

\ 初登場！/
絵画、京友禅からDIYまで
創作の舞台を広げるクリエイター
とよた真帆

家中を埋め尽くす石や絵画。
家こそが空想の旅への扉です

自然を見に行く旅も、路地裏を散策する旅も大好き。けれどどこへ行きたいかと聞かれたら、それは“家”なんです。石を集めるのが趣味なのですが、家には国内外から収集してきた石がたくさん飾ってあるんです。

日本には“水石”といって、床の間に掛け軸、水盤、石などを配置して鑑賞する文化があります。「この石はどんな経緯をたどってここに来たのだろう」と、元々あった場所や歴史に想いを馳せてみると、それが扉となってさまざまな空想の旅が始まります。

絵画もそこかしこに飾っているのですが、その絵のストーリーや描いた画家の心情などを想像しているうちに、絵画との対話が始まることも。家は私にとってどこへでも飛んで行ける一番自由な場所。土地だけでなく、時空をも超えて想像を膨らますことができる場所なんです。

Maho TOYOTA

1967年東京生まれ。女優・モデルとして活動する。芸術全般に造詣が深く、絵画の個展や京友禅のデザインなども手がける。最近の趣味は石収集。美味しいお店巡りが高じて一軒家レストラン『ロジエ』をオープン。2024年はデビュー40周年の記念すべき年になる。

Instagram @maho_toyota

03 Takanori NAKAMURA

世界の味を知り尽くす
コラムニスト
中村孝則

極点という究極。コロンビアという発展中の土地。未知の何かを感じに行きたい

かつて、南極・北極共にクルーズで巡ったことがありました。そこで体験したのは他に類を見ない圧倒的な景色、そして人生の尺度を変えてしまうようなスケール感。充実した体験ではあったのですが、叶うことならすべての経度が集約された極点に立ってみたかった。その地で生き物としての自分の反応がどうなるかを見てみたいというのは、一つの夢ですね。

ハードルが高めの場所に惹かれがちなのは自覚するところですが、今、コロンビアの親善大使をやらせていただいている関係もあり、奇跡の街と呼ばれるメデジンは、ぜひこの目で見てみたい。メデジンは、貧困地域のある山の上と下界をロープウェイで繋ぎ、人流・物流を確保して格差を是正した街です。

食材が豊富で腕利きの料理人も育っている。極点を体験できる場所、今が変革の最中にある激動の土地。うねりを体感できるような場所にこそ、飛んで行きたいと思うんです。