Special

目利きが選ぶアレやコレ
第37回:お花見するなら

イラストレーション・naohiga

定められた行事というわけでもないのに、日本人にとって“花見”は特別だ。咲いているのは、ほんの数週間。列島を北上する桜前線も、季節を感じさせてくれる。日本人の心に根差した、特別な行事。目利きたちの愛で方を伺ってみた

01 Tae ASHIDA

エレガンスに革新をもたらす
ファッションデザイナー

芦田多恵

ここ数年は京都でお花見。
雅な風情の中で、極上の日本を愛でる

ここ数年、桜の時期は京都で過ごしています。去年は醍醐寺で夜桜を。一昨年は東寺と二条城で、やはり夜桜を楽しみました。友人たちと都合の合う週末に、2泊3日。京都だから美味しいものもいただくのですが、古都の風情の中で、桜だけを愛でに行く旅なんですね。

東京では、本社にほど近い目黒川沿い。ここは今やお花見のメッカです。アトリエの窓からは西郷山公園の桜が見え、本社ビル隣の棟にアトリエをつくった時、渡り廊下の中庭に両親が植樹した八重桜が花のトンネルを作ります。

実は、東京で過ごす日常だけでも、桜づくしの日々は味わえるんですよ。けれど、咲くタイミングは自然の都合次第。わずか数日だけの美しい景色は、わざわざ遠出してでも愛でたくなる。桜の時期はコレクションのシーズン真っ只中。イベントが目白押しで忙しいのですが、花見は気持ちを新たにしてくれる春の行事。今年もまた京都に出かけたいと思います。

Tae ASHIDA

東洋英和女学院小学部・中学部、スイスのル・ローゼイ高校を卒業後、アメリカのロードアイランド造形大学アパレルデザイン科を卒業。同校にて芸術学士号を取得。1991年にコレクションデビュー。「ジュンアシダ」のクリエイティブディレクター、「タエアシダ」のデザイナーを務める。令和6年度文化庁長官特別表彰を受賞。

Instagram @taeashida

02 TAKAHIRO

世界が追随するダンスシーンの牽引者
ダンサー・振付家

TAKAHIRO

昔からの日本の機微。花を愛で、月を愛で。
壮大な自然の物語を知る

小さい時、家からは桜の木が見えていたんです。咲き終わりの頃、道に落ちた花びらが風に吹かれ、花吹雪となって舞う様子が、とても美しかった記憶があります。

わざわざお花見をしに出かけることはなくなってしまったのですが、街を歩きながら目にする花々は、心と足を止めてくれます。ランタナ、金木犀、季節の花々がふと視界に入ると、不思議とそこから認知の輪が広がっていくんです。普段は気にも留めていなかった物や景色に趣を感じる時間は、とても豊かですよね。花見にせよ月見にせよ、昔から日本人は、そんな機微を大事にしてきたのではないでしょうか。

家では、多肉植物や観葉植物を長く育てています。どんな土で育つと、この色の花になるのだろうとか、その背景にある自然の摂理にまで想像が広がって、植物が見せてくれる世界は、無限の楽しさに満ちていると思っています。

TAKAHIRO

NYC APOLLOシアター全米放送TVコンテスト(Showtime at the APOLLO)にソロダンサーとして出場。史上最高記録となる9大会連続優勝を達成し、米国プロデビュー。2009年マドンナワールドツアーに参加。ダンサーエージェント「インフィニティ(INFINITY)」主宰。大阪芸術大学舞台芸術学科客員教授。「The fastest 20 m moonwalk」ギネス記録保持者。

Instagram @takahiro_dancer

03 Kyoko HASEGAWA

時代と共に進化するファッションアイコン
女優

長谷川京子

咲く時期も散る時期もおもねらない潔さ。
その様が好きなんです

まだ子どもたちが小さかった頃、お花見のために重箱のお弁当を作って出かけていたことがありました。SNSに投稿したら、「お手伝いさんが作ってくれたのだろう」とコメントをいただいたりもして(笑)。準備万端に楽しむ過程は、実は嫌いじゃないんです。

毎年、数人が集まって祝う誕生会やクリスマスなど、心温まるイベントはよくやっています。けれど、桜の花見はちょっと特別かもしれません。実際、とても綺麗ですし、こちらの都合には一切おもねらず、桜のタイミングで咲いて、散ってゆく。その潔さもまた美しい。

あと何回、この花を見ることができるんだろう……。最近は、また違うエモーショナルな視点で楽しめる年頃になってきました。“残りの人生分の1”になるかもしれない桜。今年は久しぶりに、お花見に出かけてみようかと思っています。

Kyoko HASEGAWA

千葉県出身。『CanCam』の専属モデルとして活躍し、"ハセキョー"の愛称で人気を博す。2000年、ドラマ「らぶ・ちゃっと」で女優デビュー。2021年に下着ブランド「ESS by」(エス バイ)を立ち上げ、昨年のコレクションでは服・インテリアへの展開もスタート。ブランドコンセプトは「自愛」で、肌に触れるものだからこそ心地よく、自分を愛せるような下着を提案している。

Instagram @kyoko.hasegawa.722

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さまざまな分野で活躍する目利きたちによるコラム【目利きが選ぶアレやコレ】。今回は目利きたちの“お花見するなら”をご紹介。