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目利きが選ぶアレやコレ
第12回:私のパワースポット

イラストレーション・naohiga

パワーが漲る。静けさが味わえる。自分を取り戻す。そこへ行くと、シフトチェンジができる場所というものがある。パワースポットとは、その人にとっての意識の変換箱のようなものなのかもしれない。目利きたちのパワースポット。目利きならではの、とっておきの場所とは?

01 Towako KIMIJIMA

奇跡の57歳。
美の未来形を提案するカリスマ

君島十和子

静謐な庭の中で過ごす時間。
余分なものを洗い流してくれる場所

パワースポットという言葉で思い浮かぶのが『アマン京都』。かつての所有者が織物美術館を創るべく育んできた静謐な森を、そのまま守って建てられたホテルですが、苔むす石畳といい、湧水のせせらぎといい、一歩足を踏み入れただけで浄化のパワーを感じる場所なんです。

コロナ禍、遠出をすることも憚られ、当時、関西に在住していた長女が合流しやすく、家族が共に過ごせる場所として行ったのが、そもそものきっかけでした。自分好みの滞在をするのもいいけれど、森の造形をそのまま受け入れた場所に身を置く。日々の中で知らず知らず溜まっていた澱が浮き彫りになって洗い流され、新しい気持ちになれるんです。

改めて家族で集ってみれば、普段では気づかないような微細なコミュニケーションも生まれてくる。私にとってのパワースポットとは、すべてをゼロベースにリセットできる場所。『アマン京都』はそんな気分にさせてくれる場所なのです。

Towako KIMIJIMA

1966年生まれ。モデル、女優を経て、現在はスキンケアブランド「FTC」クリエイティブディレクター。その美しさから、美のカリスマとしてコアなファンを魅了し続けている。今年4月、『アラ還十和子』(講談社)を出版。ライフスタイルから美への姿勢などを赤裸々に綴った内容が反響を呼んでいる。

Instagram @ftcbeauty.official

02 Oscar BREKELL

日本の心をこよなく愛する
スウェーデン人初の日本茶伝道師

ブレケル・オスカル

茶園で感じる四季。海辺の解放感。
自分を客観的に見られる瞑想的な場所

茶摘みの時期はもちろんですが、ご縁をいただいている茶園には、年に6回ほど足を運んでいます。それはパワーをもらうというよりも、家族のようにお茶の木の成長を見守りながら、自然とコネクトする時間なんです。

自国のスウェーデンでは、町を出ればすぐに雄大な自然があり、雑音のない静謐な環境の中で自分を見つめることができました。茶園に赴く時間も、そんなアクションに通じているのかもしれません。南スウェーデンのヘルヴィーケンというリゾート地にサマーハウスがあったのですが、そこで海を見ていると、自分の小ささや視野の狭さなどに気がつくんです。するとサッと意識が変わって、リセットができました。

僕は週に2、3回10キロのジョギングをしているのですが、ある意味、瞑想的な時間という点では、それも似ているのかもしれません。無心になれる、自分に戻れる……それが僕にとってのパワースポットと言えるでしょうか。

Oscar BREKELL

1985年スウェーデン生まれ。日本茶に魅せられ、2010年、岐阜大学に留学。2014年、合格率30%の狭き門と言われる日本茶インストラクターの資格を取得。農林技術研究所 茶業研究センターの研修生などを経て2018年独立、現在は“日本茶の伝道師”として普及に努めている。

Instagram @brekell

03 Hajime YONEDA

ガストロノミー界の風雲児
世界中から予約の殺到するシェフ

米田肇

ストレスフリーでポジティブな“気”が集う
世界屈指のリゾート地

僕のパワースポットは、ハワイ。理由の一つは、料理のことを考えずにいられるから。そしてもう一つは、ヴァカンスを楽しみにやってくる人々が持つポジティブな空気感が、空港に降りた瞬間から感じられるから。

どこであっても、日常と異なる場所に出かければ、そのギャップで頭はよく回るようになるのですが、NYもパリも、確実に面白いレストランがあるので、つい仕事の目になってしまう。だから一緒に行く人には、「つまらない」と言われるんです(笑)。それとは逆に、ハワイはいい意味で料理のことを考えずに緩んでいられます。

人の意識とは量子が構成するものだと昨今の物理学では解明されていますが、ポジティブな量子は集合意識となって磁場のようなものをつくるのでしょう。豊かな植物から放たれるバイオフォトンと、ストレスフリーな人の気が放つ良質な波動があるハワイには、パワースポットという言葉がしっくりとくるんです。

Hajime YONEDA

1972年大阪府生まれ。電子部品メーカー勤務から1998年、料理人に転身。日本、フランスで修業を積み、2008年『Hajime RESTAURANT GASTRONOMIQUEOSAKA JAPON』を開店。当時、ミシュラン史上世界最短の1年5 ヵ月で三つ星を獲得する。2012年、店名を『HAJIME』に改め、最も予約の取れないレストランとして日々至福を提供し続けている。

Instagram @hajimeyoneda

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さまざまな分野で活躍する目利きたちによるコラム【目利きが選ぶアレやコレ】。今回は目利きたちの“私のパワースポット”をご紹介。