インタビュー

Diners Club Experience

日本料理の真心をいただく

写真・栗林成城 文・小野ゆかり

Photographs by Shigeki KURIBAYASHI Text by Yukari ONO

天現寺境内の一角、緑に囲まれひっそりと佇む日本料理店『青草窠』。料理と器、設え、空間が縦糸横糸となり紡ぐ
日本料理の神髄を体現できる店がそこにあった

*掲載情報は2025年3月号掲載時点のものです

食の愉しみとはいったい何だろう。そんな根本的な問いに想像を広げさせてくれる日本料理店がある。

広尾、天現寺の境内。表通りから一歩路地を入る、葛西薫による小さな看板がその場所を示していた。『青草窠』の意は、青々とした草木に囲まれたやすらぎの空間。北大路魯山人によって篆刻された扁額に所以する。オーナーの永坂早苗さんは言う。

「たとえて言うと、野うさぎの巣のようなやすらげる空間を作りたかったのです。市井にあって風や光を感じる場所。店名は、魯山人の扁額に出会い、ピタリと腑に落ちたものでした。茶懐石を基軸に料理を供し、おもてなしの心を大切にしております」

カウンター席正面にかけられた魯山人による篆刻の扁額。運命的に出会い、店名となった。

茶室は木下棟梁による本格的な三畳台目、露地は京都の明貫造園が整えた。移ろう季節と共に木陰を落とす。カウンターは備州の檜の一枚板、個室は栗のなぐり板や能舞台に使用する檜など名木を使う。

見事な檜の一枚板がカウンターとして使用されている。設えの一つひとつに美しさの宿る店内。右:茶室は、名目どおりに使用されることもあれば、設えを変え、季節の茶懐石を振る舞う舞台にもなる。都心であることを忘れさせるような静謐な空間。

「この店を開く導線は、夫の転勤でアメリカに渡ったことに始まります。アメリカの友達から日本の事を聞かれても答えられない。そこでまずは本で茶道と禅を学びました。そして帰国後、武者小路千家の千宗屋若宗匠の直門となりました」

魯山人の椿鉢、渡辺喜三郎の真塗煮物椀、まるで物語を見るように運ばれてくる美しい料理たち。器は古今東西、観自在。「お客様は美味しいものを召し上がりにいらしてくださるわけですから、丁寧に手間を厭わず料理を供します。こだわりというのは時に不自由を生み出すこともありますが、それを精進して繋いでいくことが大切なのではないかと思います」

左:炊き合わせ 海老芋 蕪 花冬菇 かぼちゃ 赤万願寺 春菊 北大路魯山人作 椿鉢 昭和時代。のびやかな筆致の鉢は、茶室によく映える。主人曰く「総合芸術として日本料理をとらえた魯山人を範としています」
右:小さな看板がこの店を指し示す唯一の道標。

全国から取り寄せる食材は、その日に空輸される魚や有機野菜など信頼関係で集まる。『青草窠』のこだわりはすべてがご縁で繋がれている。「お客様がハレの日に『青草窠』の一椀を思い出し、再び訪れたいと思っていただける店でありたいです」

左:煮物椀 松葉蟹寄せ清汁仕立 渡辺喜三郎作 真塗煮物椀 昭和時代。右:向付 鯛昆布〆め 古染付鶏文 中国・明時代。上:八寸 蒸し鮑 唐墨 椿玉子 善兵衛栗渋皮煮 おから 銀杏松葉刺し


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Information

青草窠
住所:東京都港区南麻布4-2-34 天現寺スクエア1階
TEL:03-3473-3103
営業時間:ランチ12:00~14:30、ディナー 17:30~23:00
定休日:日曜
完全予約制のため、必ず事前にご予約ください。


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天現寺境内の一角、緑に囲まれひっそりと佇む日本料理店『青草窠』のご紹介。