インタビュー

「ふるさとズ」が実現する、
地域支援と交流の新しいカタチ

文・渡邊卓郎

Text by Takuro WATANABE

「店舗型ふるさと納税ふるさとズ」を提供するサンカクキカク代表の宇佐川桂吾さん。
写真・東谷幸一

生まれ故郷や応援したい自治体に寄附をすると、自治体から返礼品が送られてくる「ふるさと納税」。この制度を利用することで地域への間接的な貢献は可能だが、人と人との交流まではできていないと感じる利用者も少なくないのではないだろうか。「店舗型ふるさと納税ふるさとズ」は地域とのリアルな繋がりを生み、ふるさと納税に新しい価値をもたらしている。

「店舗型ふるさと納税」が可能にすること

WEBアプリを使って簡単にふるさと納税できるのがうれしい。見やすさにこだわったデザインは、福岡デザインアワード大賞を受賞。

「ふるさと納税」についてはすでに多くの人がさまざまな返礼品を楽しみながら利用していることだろう。都道府県や市町村への寄附制度の一つとして、生まれ故郷や応援したい自治体を寄附者が自由に選択し、寄附金という形で納税。自治体からはお礼として地域の特産物などの返礼品をもらえるというものだが、この制度に新たな風を吹き込んでいるのが、サンカクキカクが展開する「ふるさとズ」だ。
2021年にローンチした「ふるさとズ」の特徴は「店舗型ふるさと納税」であること。寄附者が自分の好きな地域の店舗で電子チケットを使って商品やサービスを直接受け取れる仕組みになっている。返礼品には体験型プログラムも含まれているため、現地でのさまざまなアクティビティや人との交流を通じて地域の魅力を感じ、より深く繋がることができるというものだ。
「『ふるさとズ』の根本にあるのは、地域のファンを増やすこと、そしてリピートしてもらうことなんです」
そう話すのはサンカクキカク代表の宇佐川桂吾さん。協力を得る自治体と店舗、そして寄附者それぞれの手間や迷いをなくすべく、徹底的にシンプルなサービス設計に取り組むことで「ふるさとズ」は実現した。これまで存在しなかったふるさと納税のスタイルゆえに初めはなかなか理解を得られなかったそうだが、現在では30の自治体が参加。その中でもとくに大きな理解を示した自治体が、京都の京丹波町である。

京丹波町の「道の駅京丹波味夢の里」にはバラエティ豊かな生産物が並ぶ。ここでも「ふるさとズ」を利用して、買い物をするように「ふるさと納税」をすることが可能だ。

「京都府の中部の山間の町である京丹波町は、丹波高原の由良川上流部に位置しています。ここの気候と風土を活かしてブランド食材の『丹波牛』や『丹波黒大豆』『丹波栗』、そして京野菜の数々など、質の高い農林産物が生産されるほか、京都府内有数の酪農地帯であるなど、『京都の食の台所』といえる土地です。その京丹波町の食材を使った特別メニューを東京都内のレストランとホテルで楽しむことができるイベントを2024年の秋頃に計画しています。京丹波町の旬の食材の魅力を現地に行かなくても堪能できる体験型イベントとなります。『ふるさとズ』を活用すれば、メニューを楽しみながら町の応援もできます」。そう宇佐川さんが話すように、モノだけでなく、さまざまな体験型返礼品を宇佐川さんと京丹波町は企画している。

ブランド食材の「丹波牛」や「丹波栗」など、京丹波町は食材の宝庫。こういった食材も「ふるさとズ」を利用して購入することができる。

京丹波町が「ふるさとズ」を導入する決め手となったのは、やはりサービスとシステムのわかりやすさだったそうだ。
「導入しても浸透しないと意味がありませんので、使いやすいサービスであるという点はかなり重視していました。そして、『ふるさとズ』は従来のEC型とは違い現地でも使えるため、町への来訪者の増加が期待できるのも導入を決めた大きな理由の一つです。現地へ行く、人と出会う、応援する。ふるさと納税がこれらのきっかけ作りになるような運用を進めていきたいと考えています。『ふるさとズ』はこの目的達成のための最適なツールであり、今後もあらゆる施策において積極的に活用していきたいですね」と、京丹波町の畠中源一町長が話してくれた。

「ふるさとズ」に期待を寄せる京丹波町の畠中源一町長。導入依頼、町内の参加店舗からも好評を得ている。
写真・東谷幸一

体験型返礼品としてのゴルフプレー商品

京丹波町には食にまつわる商品のほかに、自然豊かな土地の魅力を感じることができるゴルフプレーの商品がある。
「ふるさと納税はどうしても体験系の商品が少なく、実際地域に足を運んでいただく皆様にとって利用のシーンが限られていることを解決したいと思っていました。現地に来てもらえさえすれば地域の魅力を伝える機会を創出できます。また、ゴルフを日常的に楽しんでいる方にとっては、郵送でチケットが届くのを待つ時間や、商品を探す手間が実は結構負担だと考えていて、よりわかりやすくシンプルに活用できれば、ゴルファーの皆様にとってメリットが生まれると感じたのです。プレーフィーをふるさと納税という形で支払ってもらえれば、ゴルファーにとっても地域にとっても、双方にメリットを生み出すことができると確信しています」
宇佐川さんはそう語る。このゴルフプレーの返礼品についてもまったく新しい取り組みゆえ導入は簡単ではなかったが、自治体担当者の熱意とゴルフ場の柔軟な理解によって実現。当初はゴルフ場での手続きの手間の問題があったが、システムをより使いやすいようにアップデートすることで、ゴルファーの負担を限りなく削減した仕組みを構築。手軽にゴルフプレーを楽しんでもらえる仕組みになったそうだ。それだけでなく、寄附の精神を実現できる仕組みとしてのアップデートを目指し、ふるさと納税でプレーすることで寄附金がジュニアゴルフプレーヤーの育成や環境保全に使われるようにするなど、未来に繋がるような取り組みを目指しているそうだ。
「これまでのふるさと納税はどうしても返礼品に注目が行きやすかったと思いますが、本来の姿は地域支援であり、制度を使って地域がより豊かになる仕組みだと思っています。そういう意味でもゴルフ場側も『ふるさとズ』を活用することで、自然と地域貢献を行うことができるのではないでしょうか。寄附者にとっても地域支援に関わっている実感をもっと得られるような仕組みにするために、これからも尽力していきたいと考えています」
モノとお金だけではない、想いと体験で繋がる寄附者と地域。「ふるさとズ」が新しい地域支援と交流をつくりだす。

「ふるさとズ」を利用してプレーできる全国のゴルフ場の一例。

瑞穂ゴルフ倶楽部（京都府京丹波町）

京丹波町内に位置するゴルフ場。帰りには道の駅で新鮮な食材を「ふるさとズ」で購入したい。
https://www.mizuho-gc.com/

取手国際ゴルフ倶楽部（茨城県つくばみらい市）

都心からのアクセスも抜群。36ホールを有する歴史あるゴルフ場として人気が高い。
https://www.tkg36.com/

イーグルポイントゴルフクラブ（茨城県牛久市）

戦略性に満ちた会員制の超名門ゴルフクラブ。会員限定で利用可能。
https://www.eaglepoint.co.jp/

真名カントリークラブ（千葉県茂原市）

真名コース27ホール、真名ゲーリー・プレーヤーコース18ホールとバラエティ豊かな全45ホールを擁する。
https://www.mannacc.com/

GDO茅ヶ崎ゴルフリンクス（神奈川県茅ヶ崎市）

9ホールのパブリックコース。完全セルフプレー、ドレスコードフリー、当日予約OKとカジュアルに楽しめるのが魅力。
https://chigasaki.golfdigest.co.jp/

店舗型ふるさと納税ふるさとズ
ダイナースクラブポイントアップキャンペーン

「ふるさとズ」の下記返礼品で、ポイントアップキャンペーンを実施します。この機会にぜひご利用ください。

■ゴルフ場 de ふるさと納税

ご利用金額100円につき、ダイナースクラブリワードポイントを通常ポイントに+1ポイント加算します。

対象期間：2024年5月1日～8月31日

https://golf.furusatos.com/

■アトリエ木馬

一枚板テーブルの製造から販売まで一貫して行っている国産家具ブランドです。
ご利用金額100円につき、ダイナースクラブリワードポイントを通常ポイントに+1ポイント加算します。

対象期間：2024年5月1日～8月31日

https://mokuba.furusatos.com/

■ふるさと納税でキャンプ体験
【ダイナースクラブ公式アプリでクーポン配信中！】

「ふるさとズ」が利用できるキャンプ場で、マチの魅力を体感ください。
ご利用金額100円につき、ダイナースクラブリワードポイントを通常ポイントに+1ポイント加算します。

対象期間：2024年4月26日～8月31日

https://camp.furusatos.com

ダイナースクラブ公式アプリのダウンロードはこちら

利用方法や対象施設などの詳細は記載の各ウェブサイトでご確認ください。
ポイントアップキャンペーンについては、こちらをご確認のうえご利用ください。

お問い合わせ

店舗型ふるさと納税「ふるさとズ」
https://furusatos.com/

サンカクキカク
宇佐川氏プロフィール

宇佐川桂吾
Keigo USAGAWA

1984年生まれ。福岡県久留米市出身。千葉大学院工学研究科デザイン専攻修了。2012年より久留米市でデザイン企画事務所「サンカクキカク」を創業。地域に根付いたブランディングを中心とした、ホームページデザイン、グラフィックデザインの制作や企画を行う。IT導入補助支援事業者としてECサイト構築を支援、2021年11月、つくばみらい市で店舗型ふるさと納税サービス「ふるさとズ」をリリース。