非日常を愉しむ空の移動
ヘリコプターワンストップ手配サービス
Z-Leg

文・渡邉卓郎

Text by Takuro WATANABE

＊掲載情報は2024年5月号掲載時点のものです。

日本のヘリコプター製造においてトップシェアを誇る川崎重工が、空飛ぶクルマの時代に先駆けて2023年にスタートしたヘリコプター手配サービスがZ-Leg（ゼータレグ）。ヘリコプターと、ヘリコプターの搭乗前後のハイヤーを自由に、そして簡単な手続きでアレンジすることができる画期的なワンストップサービスだ。

混雑とは無縁の空の移動で時間のロスを最小限に抑えることができるだけでなく、地上の移動ではけっして味わえない空からの美しい眺めが感動をもたらしてくれる。

山岳地帯を飛行する BK117 D-3。最新のアビオニクス（電子機器）と広いキャビンスペースにより、高い安全性・快適性を実現した最新型双発機。©Airbus Helicopters

「『この高さ、新しい』をキャッチコピーにしているのですが、ヘリコプターの飛行高度は飛行機以上にエンターテイメントになり得ます。たとえば群馬県の草津温泉までのフライトでは、富士山の姿を左手に眺めながら、まるで映画を見ているように刻々と風景が変化していく時間を体感していただきたいですね」

そう語るのはZ-Legの発案者である川崎重工の堀井知弘さん。Z-Legの大きな特徴は利用者のニーズに合わせて自由な使い方ができることにある。

ヘリコプターのシート例。

シートベルトは4点式を採用。

「これまでの移動交通手段では実現しなかったお客様のご希望を、可能なかぎり叶えることができると考えています。たとえば、環境省や山小屋周辺の事業者と連携して、北アルプスの槍ヶ岳山頂にヘリコプターで離着陸するというプランも計画しています。その目的の一つは、青春時代に山登りが趣味だったご高齢の方々の『もう一度あの景色を見たい』という願いを叶えることにあります。VRやARなどの技術は進んでいますが、やはり自分自身で目的の土地に赴き、空気に触れ、匂いを嗅ぎ、自分の目で見るということにこそ、感動があるのではないでしょうか」

高齢の方などに向けて、かつて登った山を再度眺めることを目的にしたプランを計画中。槍ヶ岳の「槍ヶ岳山荘」に発着するプランのスタートは2024年夏を予定。

長野県の上空を飛行中に現れた雲海。ヘリコプター移動だからこそ出合える景色がある。

実施例としては、昨年9月に開催されたF1日本グランプリの会場への移動がある。渋滞を回避し、直接鈴鹿サーキット内に離発着する贅沢な移動体験だ。ヘリ降機後は、パドックシャトルカー送迎サービスとの連携により、利用者はスムーズにパドックまで移動できたという。

このほか手配可能なルートとしては、北海道・千歳空港からニセコエリアの倶知安町、沖縄・那覇空港とやんばる地域の本部町、そして、東京ヘリポートと長野県の上高地などがある。利用可能エリアの拡大に向けてヘリポートや国・自治体などと調整・連携を深め、現在、日本国内で100ヵ所以上の離着陸場の設置をめざしている。

ヘリコプターを保有する航空運送事業者8社と、35都道府県の道路運送事業者の協力を得ているため、例にあげたルートプラン以外にも、利用可能着陸場を使って自由にアレンジすることが可能となる。

上空から見た新宿の高層ビル群。地上から300～600mの距離を飛ぶヘリコプターの飛行高度は、見慣れた東京の風景も非日常の世界に変え、新しい発見をもたらしてくれる。

真冬の槍ヶ岳の威容。現在、山頂付近の山小屋への発着プランを調整中。

日本の地形美の中を進む非日常的体験と、これまでは夢の世界だったヘリコプターでの移動を現実化し、新しい価値を見せてくれるZ-Leg。空の交通という、未来を先取りするようなエクスクルーシブな空の移動を、日常に取り入れてみてはいかがだろうか。

プラン例

プランA. 千歳空港～ニセコ倶知安（直線距離：89km）往復
搭乗者数：8名
チャーター料：2,120,000円（税込）～
プランB. 那覇空港～本部町（直線距離：65km）往復
搭乗者数：4名
チャーター料：1,760,000円（税込）～
プランC. 東京ヘリポート～上高地（直線距離：237km）往復
搭乗者数：8名
チャーター料：4,180,000円（税込、平湯～上高地間の往復ハイヤー代含む）～

※別途、回送輸送料金が発生する場合があります。

【ダイナースクラブカード決済によるポイント獲得例】

Z-LegでプランCを手配した場合のポイント数：41,800

※8名利用合計金額をダイナースクラブカードで決済した場合

Information

川崎重工

https://www.z-leg.com/