京の朝食

古都の街を眼下に堪能する
パリと京都が融け合う品々

写真・木村有希 文・白木麻紀子(アリカ)

山々に抱かれるように立ち並ぶ家屋。川向こうに目をやれば、清水寺の仁王門が柔らかな日差しに照らされる。2021年3月に開業した『フォションホテル京都』の最上階、『レストラン グランカフェ フォション』から一望できる風景だ。

1886年にフランス・パリで創業して以来、高級食料品店として人気を博してきたフォション。そのホテル1号店は、2018年にパリのマドレーヌ広場に誕生した。そして世界で2店目の“グルメホテル”として開業したのが、『フォションホテル京都』だ。

「パリと京都には、洗練された芸術や文化が受け継がれ、街中に川が流れている点も共通します。パリの店を知るお客さまから『フォションらしいね』と言っていただくことも多いです」とPR担当者は話す。

同ホテルのコンセプトは「FAUCHONMeets Kyoto. Feel Paris.」。最上階のレストランでは、パリ仕込みのレシピと京都の風土に育まれた食材から生まれるメニューが味わえる。その日初めての食事であり、チェックアウトの日にはホテルで最後に口にする食事でもある朝食。

ゆえにリラックスしながら味わってもらいたいという思いをこめて大切に献立づくりを行っているという。「フォションブレックファスト」は、聖護院大根、上賀茂トマトなど季節の地物野菜を使ったシーズナルサラダや、「京都大原山田農園」の平飼い卵を使った卵料理など、京都ならではの品々が並ぶ。

フォションブレックファスト

「食材はストレスの少ない環境で育ったものを使うよう心がけています」と、シェフドキュイジーヌの市川浩平さん。その言葉どおり、どの皿からも素材そのものの優しい味が伝わってくる。そして、さすがと思わせるのが、オリジナルのジャムに香り高い紅茶、バター香るサクサクのパン・オ・ショコラや、本国から運ばれるマカロン。

満足感をいっそう高めてくれるパリ伝統の味だ。朝食を含めメニューはすべてフォションのフランス人シェフ監修のもと、本場のクオリティを保っている。

ホテル内はブランドカラーのフォションピンクに加え、黒、白、金の4色で統一。どこにいても洗練されたモダンさが漂うが、西陣織や和紙がポイントであしらわれ、ふとした瞬間に京都を感じることができるのもうれしい。

客室に置かれるフォションのスイーツと紅茶がいつでも楽しめる「グルメバー」も宿泊客に好評。食事だけの利用もできるが、せっかくならパリのエスプリに満ちた部屋で羽を伸ばした後の朝食をおすすめしたい。

レストラン グランカフェ フォション

京都市下京区難波町406『フォションホテル京都』10階

電話:075-751-7711(代表)

営業時間:ブレックファスト7:00~11:00(L.O.10:30)、
ランチ11:30~15:00(L.O.14:30)、
ディナー17:00~22:00(L.O.21:00)

定休日:なし

https://hotelfauchonkyoto.com/

「フォションブレックファスト」4,950円(税・サ込)

  • 食材やメニュー内容は時季により異なる場合があります。

※ 新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。

*掲載情報は2022年4月号掲載時点のものです。

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白木麻紀子(アリカ)さんが綴るコラム【京の朝食】。今回は「古都の街を眼下に堪能するパリと京都が融け合う品々」。