Fashion

細身サルトリア仕立ての
快適ピーコート

写真・大志摩 徹 文・松尾千鶴子

Photograph by Toru OSHIMA

Text by Chizuko MATSUO

メンズファッションに伝統的アイテムが復帰している。メンズウェアの長い歴史の中で生き残ったアイテムの普遍的な価値が再評価されたのだ。

ワークやアウトドアの実用的なアウターも含め、素材、色、フォルム、デザインに再解釈が加えられ、着こなしの自由度も高まった。中でもこの冬に注目したいのが冬のマリンを代表するピーコートだ。各ブランドの個性が生かされ、さまざまに展開されている。

これはイタリアの名門、カナーリのピーコート。本来はネイビーの厚手メルトンを使用するが、このコートはピュアウールシルクのダブルフェイス地を採用、表面は落ち着いたチャコールグレー。

一方、ダブルフェイスの裏面は明るいグレー系のチェック柄だが、ハーフライニング仕様でこの柄は脱いだ時にしか見えない。細身のサルトリア仕立てで、着心地は軽くて柔らかい。

立体的な作りがコート全体に洗練されたスマートな印象をもたらし、抑えたデザインが着こなしと着用シーンの幅を大きく広げている。ブランド独自の優れたアップデートが現代にリアルなラグジュアリーを体現させてくれる。

1934年、ミラノ郊外に創業のカナーリ。メンズブランドとしてイタリアンラグジュアリーを守り続けてきた。このピーコートの身頃は脇パネルをポケットに向けて設えて、構造線をデザインに巧妙に組み込んでいる。細身だがリラックスした着心地が味わえる。

ピーコート418,000円、シャツ58,300円/カナーリセーター42,900円/バルバ ナポリ(すべて税込)

お問い合わせ

カナーリ、バルバ ナポリ(コロネット)
電話03-5216-6521

*掲載情報は2024年12月号掲載時点のものです。

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