Fashion

デザイナーの感性で捉えた
カバーオールというリアル

今シーズン、ハイブランドからカジュアルブランドまで、メンズコレクションの展示会で多く見かけたのが、このカバーオールだ。ボクシーなフォルムに、クラシックな襟、ボタンで閉じて着るというジャケットが、ジップフロントのスポーティなジャケットに馴染んだ目には新鮮に映ったのだった。

中でも本家のカーハートとダブルネームで展開したeYeジュンヤ ワタナベ マンのカバーオールは秀逸。元来の実用性と快適さに加え、独自に選んだ綿帆生地にポリウレタンコーティングを施し、フォルムを調整し、現代的なハリとゆとりをもたらしていた。

カバーオールが生まれたのは1917年。アメリカのワークウエアブランドのカーハートが制作した名作、チョアコートの別名として90年代以降、クラブミュージックやアートシーンで人気を高めていった。

この2点は背と肘のアクションプリーツはオリジナルを踏襲しているが、裏地は表地と同色のメッシュ、裏地両側にファスナー付き内ポケットへと変更。コーティングの質感やゆったりとしたフォルムも、現代的な選択とクリエイティビティとして重要だ。

eYeジュンヤ ワタナベ マンは2005年にジュンヤ ワタナベ マンのセカンドラインとしてスタート。メインブランドと比べ、こちらはニュートラルなデザインを特徴とする。ブランド名冒頭にデザイナーの視点で今着たいものという意味が込められている。本家へのリスペクトの証しとして左胸にCロゴ。

カバーオール 各118,800円(税込)

写真・大志摩 徹 文・松尾千鶴子

eYe JUNYA WATANABE MAN

eYe ジュンヤ ワタナベ マン(コム デ ギャルソン)
電話03-3486-7611

*掲載情報は2024年5月号掲載時点のものです。

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