Fashion

クラシックアイテムに
ユーティリティの洗礼

ミュウミュウ春夏コレクションでは腰回りを覆う大きなポケットがひと際目立っていた。マチ付きのアウトポケットを2つ並べてベルトのようにボトムスの上から巻いていたのだ。またパーカーやレザージレもアウトポケットがデザイン上のアクセントとなっている。

ポケットというユーティリティなディテールがクラシックなアイテムに破調をもたらし、新風を吹き込んでいた。今回のコレクションタイトルは「IN TRANSLATION」。ファッションはこうやって変換し進歩していくのだろう。

このノースリーブジャケットは巧みなテーラリングでボディフィットに仕立てているが、裏地は断ち切り処理で、袖口や裾からひらひらと軽快な動きを見せている。スカートもポケットベルトも大きなベルクロでしっかりと留めるラップ式。

ランウェイではローライズに着て、インの白いアンダーウェアを覗かせていた。生地は一見、ナイロン地のような光沢があるが、これはバージンウールをベースにポリアミドなどをテクニカルに混紡して作り上げた質感。素材からディテールまで機能を得た服がモード最前線に着地したのだった。

ロマンティックからニュートラルへ、大きくイメージを転換した今シーズンのミュウミュウ。アウターはジャケット、パーカー、ジレ、と年齢を問わず着られるアイテムが中心。ノースリーブジャケットとラップスカートのセットアップにポケットベルトというスタイリングを成立させているのは、ブランドの高度なセンスによるもの。

ジャケット341,000円、スカート155,100円、ポケットベルト181,500円、バッグ341,000円(すべて税込予定価格)

写真・大志摩 徹 文・松尾千鶴子

MIU MIU

ミュウミュウ(ミュウミュウ クライアントサービス)

フリーダイヤル0120-45-1993

*掲載情報は2023年6月号掲載時点のものです。

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