Fashion

復活したポロを非凡なドレスへと変換

写真・大志摩 徹 文・松尾千鶴子

Photograph by Toru OSHIMA

Text by Chizuko MATSUO

ポロ風ニットと、スカートはマスキュリンな素材とシアーな素材の組み合わせ。誰もが慣れ親しんだニットを起点に、デザインもテクニックも秀逸なドレスへと発展させている。

メゾン マルジェラの「アヴァン・プルミエール」コレクションの新作だが、このドレスにはメゾンのコードによる脱構築が行われていた。スカートの輪郭だけを残して解体した「デコルティケ」、裏地を顕わにしてデザインの要素とする「アノニミティ・オブ・ザ・ライニング」と。

メゾンが培った特有の概念と高度なテクニックで既成の構造を解体。ここ数シーズン、トレンドに復活したスクールユニフォームのポロをドレスに昇華し、異彩を放つ存在へと誘導している。

メゾン マルジェラはオートクチュールウィークに発表される「アーティザナル」コレクションを頂点の指標に各コレクションがピラミッド状に展開されていく。

今回の「アヴァン・プルミエール」はこの指標をより日常的に解釈したコレクション。日常着を基に非凡なドレスへの変換に成功している。ノンシャランに着ても特別。着心地もいい。ここが重要だ。

半袖ニットの軽やかさを受けて、バージンウールのストライプ生地でしっかりと作り込んだスカートをミニ丈に断ち切り、ライニングのシアーなシルクオーガンジーやコットンのポケット地を覗かせたボトム部分の作り込みが見事だ。細身シルエットに胸元の深いレッドがポイントカラーとして効いている。

ミディドレス 445,500円(税込)

お問い合わせ

メゾン マルジェラ(マルジェラ ジャパン クライアントサービス)
フリーダイヤル0120-934-779

*掲載情報は2024年8&9月号掲載時点のものです。

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